大変ご無沙汰をしております。
まず最初に。
随分と久しぶりのブログ記事になりますが。。
「晴れて再開」というつもりは全くなく、ただ単に
先ほど起こった戦慄のw出来事を誰かに聞いてもらいたくて
筆を執る・・ではなくPCをカタカタしております。
いつもの如く長ーい話になりますが
聞いていただけますか?
ありがとう。
それでは、
ちょこっとだけ時計の針を
巻き戻しますね―――
1月13日 21:40 SCENE:1
そう。後から思えばこの日は何だかいつもと違っていた。
横浜市内の自宅マンション。
繁華街にも程近い、単身者用のマンション。
住み始めて3年になるが、同フロア(4部屋しかない)の住民の顔を
ほとんど知らない。声が聞こえることもない。
基本“騒音”とは程遠い環境で、その日は珍しくなんだか廊下が
騒がしかった。
ドアの開閉の音(何度も)。
「ガタン」と何かを廊下に置いた音。
「ショワ~~~」っという正体不明の音。
「?」
気になったといえば気になったし、
ならなかったといえばならなかった。
ご近所さんの誰かが時期はずれの大掃除でも
始めちゃったのかな、、ぐらいに思ってた。
そのとき。
「ビ――っ ビ――っ ビ――っ」
耳をつんざくような大音量のサイレンで
私は座っていたソファから飛び上がった。
インターホンの警報音だ。
続いて音声が
「建物内で火事が発生しました。速やかに避難してください
建物内で火事が発生しました。速やかに避難してください」
「ビ――っ ビ――っ」
「建物内で(ry
茫然自失したのは恐らく数秒だったと思う。
今まで○十年生きてきて、火事には過去2度遭遇している。
(大地震は1度)
部屋着の上からコートを羽織りパソコンにビニール袋を被せ
お財布と携帯、部屋の鍵をポケットに突っ込み
部屋から廊下へ出るドアを開けた。ら、
「どわっ」
思わず声が出た。
白い。
廊下が靄で白い。
「マジ?」![]()
自問自答してみる。
この、家の廊下に立ち込めている靄は果たして煙だろうか。
だとしたらそれは即ち
“火元が恐ろしく近い”もしくは“火元は遠くても外の廊下には
すでに煙が充満している”のどちらかを意味する。
あまりの事にさすがに動転した。
と同時になんだか笑いがこみ上げてきたのも事実。
不謹慎と言うなかれ。
人は予想を超えた事態に遭遇したとき、図らずも自分の意思とは
全くかけはなれた言動をしてしまうことがあるものだ。
「とにかく外に出なくちゃ」
ちなみに、ちろの部屋は高層階にある。
外に逃げるにはこのドアから出るしかない。
玄関で靴を履こうとした。
靴を履こうと
靴を
え?
玄関のタタキは黒い石でできている。
季節柄、そこに並んでいる靴も黒がほとんどだったのだけど。。
ピンクの粉に埋もれてタタキが見えない![]()
靴も粉に覆われてエライ事に、、
そう。
見覚えのある方も多いだろう。
消火器から噴霧される消火剤は
薄くてカワイイ
ピンク色をしています(涙)。
見ればドア下のわずかな隙間から、激しくピンクの粉末が
吹き込んできている模様。
外の様子を伺いつつ、恐る恐るドアを開けた私の前に・・
1月13日 22:00 SCENE:2
ドアを開けたちろが目にしたものは――
消火器を抱えて涙目でこちらを見ている
一人の若い女性。
相変わらず白い靄で視界は悪い。
ちろ:「あ、あの・・これは一体?」
廊下に鳴り響く警報音に負けじと、声を張り上げた。
すると女性は、なぜか肘から先がぐっしょり濡れた
手を持ち上げて私の開けたドアの隣を指差した。
配電盤。
ちろの家と隣家の電気・ガスのメーターが収められた共用スペース。
そこの鉄の扉が大きく開いていて、覗くと中は消火剤で真っ白だった。
ちろ:「・・これ、燃えたんですか?」
するとその女性は、傍らにあったもうひとつの消火器(一体どこから)を
やおら持ち上げ
「あのドアが閉じてしまうので持っててください」
と、避難階段へと続く廊下の端の鉄扉を指差した。
なんで?と思ったがふと見ると
エレベーターの電源が切れている。
緊急時なので自動停止したのだろう。
そうか、この人は配電盤の火を完全に止めてから
非常階段を使って外へ逃げるつもりなのね。。
ちろ:「OK、持ってます」
・・ここでこれをお読みの皆さまに問いたい。
この非常時に、ですよ?
事態を冷静に分析できるだけの余裕をちろが
持てなかったとしてもそれは仕方がないですよね??
後から思えばおかしな点はいくつかあった。
廊下中に消火剤と思しき靄は立ち込めていたけど
凶悪な煙は一切なく、火事場に独特なあのキナ臭さも
全くなかったこと。
状況的に見てその配電盤が火を噴いたと推察されたものの
(ちなみにその女性は「火が出た」とは一言も言ってない)
その割にはちろの家の天井には電気が煌々と光り、
消し忘れたテレビからは賑やかな笑い声が聞こえていた。
・・が、その時にはそんな事を思う余裕も無く。。
一生懸命、重い非常扉を手で持って眺めていると
その女性は配電盤を時々覗き込んでは
消火器を持ち上げ、また降ろし、合間合間に
「なんでこんな事になっちゃったの?」などと言いながら
何故かデジカメで現場を撮影したりしている。
少しずつ・・なんだかぞわぞわする感じが胸の中に広がっていった。
ちろ:「あの~」
ちろ:「とりあえず火は治まってるみたいだし、
管理会社に電話した方がよくない?」
女性:「セコムが来ます」
ああ、そっか。
警報鳴り倒してるし、そのうち警備会社が飛んでくるわな。
意外にも冷静な彼女の一言がなんとなく私を安心させた。
・・しかしその後、何分か経過したが一向に警備会社の人間は
やって来ない。
落ち着かない。
その女性は・・女性、というより20代前半位の小柄な女の子で
化粧っ気も少なく髪も染めてない、どちらかというと地味目で
見た感じではおとなしそうな子だった。
そして相変わらず消火器を弄びながら溜息と独り言を
繰り返している。。
警報音が鳴り響く廊下に彼女と2人きり。
他の住民の気配は、無い。
またぞろ不安が押し寄せてきた。
ちろ:「ちなみに貴女、どこのお部屋?」
女性:「ここです」
指差したのは隣家のドア。
配電盤を共有しているうちのお隣さんだ。
ちろ:「もしかして警報があっちに届いてないのかも。
やっぱ電話しますね」
女性:「はい。お願いします」
とにかくその場から逃れたかった。
管理会社の電話番号を探しに一旦部屋に戻ろうと
家のドアを開け、粉まみれの玄関に足を踏み入れかけた。
すると、
ちろの後ろからひょいっとうちの玄関を覗き込んだ彼女が
こう聞いた。
「この靴、全部あなたのですか?」
・・ちろ宅の玄関には結構普段から、靴が多めに
並んでいたりする。
しかしこの場違いな質問は、なんだ?
ちろ:「そうですけど・・」
女性:「そう。よかった」
・・何がなんだか分からない。
そこはかとない不安が本物になりつつあった。
玄関脇のクローゼットに入れておいたはずの
緊急連絡先ノートを探す。
見つからない。絶対ここにあるはずなのに
なんで無いのよ。
泣きそうになりながら探していた、その時。
どどどっと、人のなだれ込んでくる気配と
「ここですか」
「危ないので下がっていてください」と
男の人の声がいくつも聞こえた。
慌てて廊下に出ると、完全武装の消防士さんが3人いた。
その後も非常階段から次々と上がって来た。
警報音で聞こえなかったけど、どうやらマンションの周りは
複数台の消防車で大騒ぎになっていたらしいww
先頭にいた、リーダー格と思しきメガネのおぢさん
が
粉で真っ白の配電盤を眺め、中を覗いて「う~ん」と言った。
そして
廊下で震えている女の子と、ドアから顔を出した私を見、
まずちろに聞いてきた。
「火は」
私はありのままを答えた。
警報が鳴ったこと。
廊下に出たときはすでにこの惨状(廊下粉まみれ)だったこと。
火が出ているところは見ていないこと。
するとメガネのおぢさん(in消防服)はくだんの女性に向き直り、
やさしく聞いた。
「消火器を使ったのは貴女で間違いないですか?」
そこで彼女の口から衝撃の一言が!
「さっきまでもう一人いました」
ちろ:「うそっ」![]()
そ、そいつは気がつかなかった。。
もう一人誰がいたのか知らないが、たぶん彼女には
見えていたんだろう、、
(ちろ、
に向かって無言でブンブン首をふる)
メガネのおぢさん:「消火器を使う前の状況を教えてくれる?」
女性:「とにかく助けなきゃいけなかったんです」
全く会話になりませんww
そこでおぢさんは仲間の消防士さんと目配せをし、
無線で「消火器の霧に探知機が反応しただけの模様」と
外の人たちに伝え、もう1度こちらに向き直りました。
そして、
「こちらには後でもう1度お話を聞きに伺います。
ちょっとこの方とお話しますので、、
」と、どうやら
メガネおぢさんは一旦ちろにその場から退場しろと
言うのです![]()
え~っ![]()
こんな面白そうな大事な話、混ぜてもらえないなんて
ずるいわずるいわ![]()
・・と思ったものの口には出せず、おうちの中に引っ込んで
粉まみれの廊下を拭き拭きしながら耳は超ダンボ![]()
どうやら外に立ったまま話をしているので会話が丸聞こえですw
そのカオスな内容の全てを
ここで再現する事は差し控えます。
結局、火はどこからも出てない事が確認され・・。
彼女の言い分を要約すると、
・さっきまでいたもう一人と一緒に消火剤を撒いた
・その人の姿はこのデジカメの中に収められている
※ちなみに、この会話の合間にもメガネおぢさんが
「あ、写真撮らないで」「今必要ないでしょ
」と
言ってましたww
そして肝心な“そもそも何故消火器を使ったのか”という
質問については
この中(配電盤)にいる人を
助けなきゃいけなかったから。
という、答えでした![]()
会話はそのうちおぢさんのお説教へと変わって行きww
そうこうするうちに警察のダンナ登場
彼女の身辺に関する事情聴取、、
二十歳。親は横浜市内に住んでる。一人暮らし。無職。
普段はネットゲームしてる。
配電盤を開けたのもネット仲間に「汚い」って言われたから(?)。
消火器の使い方もネットで見たからよく知ってるの(エッヘン)。
ネトゲの他にも好きなゲームは、、
(この問いに嬉々として)
「○○(ちろの知らないゲーム)とか・・××とか・・
FATEとか・・△△とか・・ひぐらしとか・・etc..」
いや、まぁ、別にゲームに偏見があるわけではないですが。
てかむしろ好きだし。
ですがとりあえず、
もし隣に住んでるのが女の子じゃなくて男だったら
即引っ越す位のレベルでビビってます。(笑)(泣)
その後、うちにも警察の訪問。
実家から呼び出された彼女の母親の訪問。
(ちなみに夜中)
「なんだかすみません」というよく分からない謝罪を受け、
一応うちの玄関を見せたら虚ろな目でお母上は
・・いろいろと言いたい事はあるが、しかし。
ほんとに火事でなくてよかったと思うべきなのかもしれない。
だけど。
今も壁1枚隔てたすぐ隣りに彼女がいる。
そしてこれからも。
もしかしたら反対の壁の向こうにも、廊下の向かいのあの部屋にも
“彼女”はいるかもしれないのだ。
それどころか。
この先、小さい箱のような部屋の中で何年もひとり暮らすうちに
知らず知らず私自身がいつしか“彼女”になってしまうかもしれない。
いろんな思いはやまず。
少しでも吐き出したくて、今この文章を綴っています。
最後まで長い話にお付き合いいただいて
ありがとう。
でもね、笑い話じゃないから。
だってね。
あ。ほら、
あなたのおうちのお隣にも彼女がいますよ?

























































