最近では英文をしっかり訳すという勉強をあまりやらない人が多いようだ。駿台の『構文至上主義』を前時代の遺物みたいに考えている人もいるし。もちろん構文だけで何とかなるわけじゃないけどね。『ネイティブはそんなことやらないぜ!』とばかりに流し読みをしているようだが、外国人がネイティブのサルマネをしたところで成果が出せるとは限らない。


そこで今回は構文について話をしてみよう。

まずこの英文、訳せるかな。


Beyond the new vocabulary is a new system of grammar that makes order of thd new words.


わかる人にはわかるかもしれない。

これは「英文解釈クラシック」の一番最初に出てくる英文。まず、主語と動詞はどれでしょうか。前から訳すクセが染み付いている人は必死でbeyondを考えるんだろうけど主語はそこじゃない。そもそも前置詞句は主語にならないし。この英文は倒置と関係代名詞。この知識で訳せる。


新しい語句に配列を与える文法という新たな体系は、新たな語句を超えたところにある。


倒置するよりこっちの方がわかりやすいのでこのような訳にしてみた。


この英文が訳せない理由は単語力不足でも文法力不足でも読み込み不足でもない。単に構文の知識が足りないからだ。こういう英文に流し読みは通用しない。外国語として英語を学ぶには経験だけではどうにもならない。ある程度の知識が必要だ。