先週、梨泰院で大事故が起こった日から、ずっと心が重い。
もともとお酒好きな私達夫婦。週末はバーをはしごすることが楽しみの一つ。
ただ、イベントごとには二人とも疎いので、ハロウィンだということはすっかり忘れていた。
晩御飯を食べてテレビを見ていると、夫が「梨泰院のあのバー(行きつけの)行く?」と聞いてきた。
土曜日でお酒を楽しみたい気持ちがあったものの、ランニングをして疲れたこともあって私は「今日はやめておこう」と言った。
ハロウィンで人が多いかもしれない、という考えはまったくなかった。ただ気分が乗らなかっただけ。
時間はちょうど21時くらい。もし、あのときバーに行く気分になっていたら。
行きつけのバーはあの通りの二つ横の通りにあるから、
ハロウィンの熱気にもまれ、バーにたどり着けず巻き込まれる可能性は十二分にあった。
テレビを見ていると、速報で「梨泰院にて多数が心肺停止」とテロップが流れた。
映像は現実のものとは思えなかった。何回も通ったことのある道だ。背筋が凍る。
ソウルのような大都会で、ハロウィンの仮装を楽しむため、恋人とデートするため、家からコンビニに行くため、
ただ道を歩いていただけで大事故に巻き込まれると誰が考えるだろうか。
私達夫婦のように、ハロウィンだということを知らずにあの場所に向かった人たちもいただろう。
あまりの人の多さに、帰路を急いだ人たちもいただろう。
悲しくてやりきれなくて、心が痛い。
大量の人出、狭い路地、大音量の音楽、ハロウィンの仮装、警備の不在、違法構築物、路上駐車。
あらゆる要因が絡まりあって起きてしまった今回の事故。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、二度とこのような事故が起きないよう徹底した検証が行われることを強く願うばかりです。