祖母から相続の申し出があったのが10数年前だったか。
これは、それよりもう少し前、
僕が社会人に成りたてのころの話。
その頃、僕は実家を離れてはいたけど、同じ市内のマンションに住んでいた
突然、実家が売られる
父から連絡があり
「実家のある土地を売ろうと思っている」と告げられた時
僕は猛反対した。
実家への執着
僕が反対したのは
両親が離婚しており、兄弟もバラバラになっている状態で
僕の家族があった証として、実家だけは残しておいて欲しかったからだった。
今思えば、若いというか何というか・・・だが。
そして、父に猛反対したものの、あっさりと断られてしまった。
それならば、と。
「僕がお金を出すので、実家は残してほしい」
少しの貯金はあったので、自分の思いを伝えたつもりだった。
親族から突き放される
僕の申し出に父は困った様子で、
そんなに言うなら親族(父の兄弟)と話し合えばいい、と。
何故ここで親族がでてくるのかは謎だったが、とりあえず地元に戻り
親族に僕の思いを伝えた
(※この場に何故か祖母はいなかった。)
「もし(僕)が実家を買い取りたい、というのであれば5000万円払え」
親族からの回答。
もちろん社会人なりたての僕にそんな途方も無い金額払えっこない。
というか今になってよくよく考えてみると実家にそんな価値はない。
・・・なんのことは無い。
父と親族との間で、実家の土地も含めた「祖父の遺産を売って分配計画」が定まっていたのだった
反対しようとどうしようと意味は無かった。
完全に敗北
この時の僕は、今になってみると「若い」し「甘い」。
父や親族が財産を現金に換えたいという気持ちも、今なら理解できる。
ただ当時は、子供の思いをこんなにも無碍にする親族だったのかと落胆したし
望みを叶えることのできない、お金のない自分が非道く悔しかったのは覚えている。
売って分配!計画ならず
その後の結末から言うと、実家は売られなかった。
売られなかった、というよりたぶん売れなかったのだと思う。
でもこの事件以来、
僕は実家に執着する事は無くなった。
そこには家族の証なんて無くて、ただの僕とは何の関係もない5000万円がある、という感じになった。
もうそこ(実家)は、どこにでもある普通の家と土地という気がした
その数年後、
祖母から実家の土地を相続して欲しいという申し出があった。
実の息子や甥に5000万円を要求するような態度とは正反対のものだった事が
僕は嬉しかったのだと、今になって思う。