【第17回】ラファール ― フランスの“万能型”戦闘機、その真価とは

「第5世代」ではないけれど、それに匹敵するほどの実力。
それがフランスのマルチロール機、**ラファール(Rafale)**です。

単なるフランス製ではなく、「1機ですべてをこなす」ことを最初から狙って設計された戦闘機
現代の戦場において、まさに万能型の代表格といえる存在です。


ラファールってどんな戦闘機?

  • 開発国: フランス(ダッソー社)

  • 初飛行: 1986年

  • 実戦配備: 2001年〜

  • 特徴:
     ・空対空・空対地・空中給油・核攻撃…全部こなす
     ・高機動+ステルス性(形状と素材)
     ・1人乗りでも高い情報処理能力(多機能ディスプレイ)
     ・海軍型(空母運用)も存在


“オールインワン”な理由

ラファールの設計思想は明快。
**「これ1機でフランスのすべての任務を担える」**ことを目指しました。

その結果…

  • 戦闘(空対空)

  • 地上攻撃

  • 電子戦

  • 核ミサイル運搬

  • 航空偵察

  • 空母離着艦(M型)

すべてが一つのプラットフォームで完結しています。
まさに“ユーティリティ・プレイヤー”。


ステルス性能は?

第5世代のF-22やF-35に比べると「本格的なステルス機」ではありませんが、
レーダー反射を抑える設計や塗装、エンジン配置などの工夫で、
高い被発見回避性を実現しています。

「見えづらくて、動きも速い」
そんな機体が一番やっかいなのは、敵もよく知っています。


実戦での評価は?

  • リビア空爆(2011)

  • マリ紛争(2013)

  • 中東での対ISIS作戦

  • インドやエジプトでの実戦使用

ラファールはただのショーケースではなく、
すでに何度も本物の戦場で“使える戦闘機”として証明済みです。


世界でも人気の輸出機

  • インド(36機)

  • エジプト

  • カタール

  • **アラブ首長国連邦(UAE)**などが導入。

しかも、**インドは独自の整備体制と武装統合を行い、「自国仕様ラファール」**として活用しています。
こうしたカスタマイズ性もラファールの魅力です。


第6世代とのつながりも…

次世代機「FCAS」では、ラファールの技術が活かされる予定です。
つまり、ラファールは「現在」と「未来」をつなぐ橋渡し的な存在でもあります。


次回は、スウェーデンが誇るスマート戦闘機、**サーブ「グリペン(Gripen)」**を紹介します。
「強いだけじゃない」「賢くてコスパがいい」──そんなコンセプトが光る、北欧の名機をお楽しみに。