【第13回】NGAD ― 未来の空を支配する「第6世代戦闘機」
F-22ラプターが“最強の空戦機”として世界に名を轟かせたのも今や過去。
次に来るのは「ステルスだけじゃない」――
ネットワーク、無人機連携、AI搭載…未来の空戦を見据えた怪物、それがNGADです。
NGADって何の略?
NGAD = Next Generation Air Dominance(次世代空中優勢)
これは「1機の戦闘機」ではなく、新しい戦い方そのものを指すプロジェクト。
アメリカ空軍が主導し、F-22の後継となる有人機+無人機+センサー+AIの“システム全体”を開発しています。
🚀 NGAD = 機体+ドローン+AI+データ融合=「空のチーム戦」
特徴①:有人機 × 無人機のチーム戦
NGADの中核は有人戦闘機ですが、
それを支援する**「忠実な僚機(Loyal Wingman)」と呼ばれる無人機**が同時に行動。
無人機には偵察・妨害・ミサイル運搬などの任務を担当させ、
リスクの高い場面では“人間を守る盾”としても機能します。
🎮 操縦は1人でも、周囲に4〜6機の無人機が随伴するイメージです。
特徴②:AIとネットワークによる“戦場の直感”
NGADは高度なAIとネットワーク機能により、
状況をリアルタイムで分析し、最適な行動をサポートします。
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敵機の動きを予測
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電子戦環境を即時把握
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味方と情報を共有して連携攻撃
これにより、パイロットは「判断に迷う時間」が激減し、
まるで“先が読める戦士”のように戦えるようになります。
特徴③:従来機を超えるステルスと航続距離
F-22よりもさらに高いステルス性能を備え、
加えて広大な太平洋戦域での運用を想定し、長距離飛行能力にも優れた設計がされています。
空中給油や中継拠点なしでも、敵地の奥深くまで入り込めるのが大きなポイント。
🛰️ 「戦場に入る前から優勢を取れる」のがNGADの恐ろしさ。
開発状況は?
アメリカ空軍はすでに**「飛行試験機は飛行済み」と公表**しており、
実は極秘裏に数年進んでいたことが明らかになりました。
2030年代初頭の実戦配備を目標に、ボーイング、ロッキード・マーティン、ノースロップ・グラマンが競争中。
すでに次世代エンジン「ADVENT」も開発されており、
低燃費・高出力・ステルス対応が期待されています。
NGADがもたらす未来
NGADは単なる新型機ではなく、
**「空中戦のルールそのものを変える存在」**です。
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ステルス vs ステルスでは、先に見た者が勝つ
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無人機の犠牲で有人機を守る
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AIがリアルタイムで作戦を再構築する
つまり、「操縦がうまい=強い」時代は終わり、
「情報戦と連携がすべて」になる未来の象徴です。
次回は、そのNGADと似た思想を持つヨーロッパ版の第6世代戦闘機プロジェクト、
**テンペスト(Tempest)とFCAS(日仏独共同開発機)**について紹介予定です!