【第12回】J-20 威龍 ― 中国が世界に放つステルス・ドラゴン
アメリカのF-22、ロシアのSu-57に続く形で登場したのが、中国の第五世代戦闘機J-20 威龍。
その姿はまさに“現代の空を舞う龍”。
中国が誇るステルス技術と航空電子技術を結集して生まれた、最新鋭の戦闘機です。
ステルス機らしいシャープなフォルム
J-20の第一印象は、「でかい・黒い・角ばってる」。
F-22とF-35を足して2で割ったようなデザインで、正面からのRCS(レーダー反射断面積)を極限まで抑えた形状。
全長は約20.4mと、F-22(約18.9m)よりも長く、サイズ的には“F-15+ステルス”に近いイメージです。
👀 大きくてもステルス性能はなかなかのもの。
国産エンジン「WS-10C」でついに自立?
J-20は当初ロシア製のAL-31エンジンを使用していましたが、
近年では中国独自開発の**「WS-10C」エンジンを搭載する機体が量産化**されつつあります。
これにより、中国は「エンジン頼み」からの脱却を果たし、
真の国産第五世代機への第一歩を踏み出しました。
第五世代機らしい先進技術も満載
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AESAレーダー(アクティブ電子走査式)
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ステルス対応のウェポンベイ(内蔵兵器倉)
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高機動性のカナード翼(※異論もあり)
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高度なデータリンク・センサーフュージョン
これらの技術により、J-20は空中戦のみならず、
広域制空や電子戦、情報共有まで担えるマルチロール戦闘機とされています。
アメリカ機との性能比較
F-22と比べると、まだ議論の余地はあるものの──
項目 | J-20 威龍 | F-22 ラプター |
---|---|---|
ステルス性能 | やや劣ると推定 | 極めて高い |
機動性 | 高い(カナード翼) | 最高レベル(TVノズル) |
航続距離 | 長い | やや短め |
情報戦能力 | 急成長中 | 世界トップ水準 |
✈️ 一言で言うと:
J-20=「数で圧す第五世代」/F-22=「質で勝負の少数精鋭」
気になる運用実績
現在、J-20は中国空軍の主力として南シナ海・台湾周辺などで展開中。
日本の航空自衛隊もJ-20の出現に合わせてF-35の即応体制を強化しています。
まだ実戦参加の例はないものの、
今後の東アジア情勢のカギを握る存在になることは間違いありません。
次回は、アメリカの“第六世代戦闘機”の候補とも言われる、NGAD(次世代空中優勢機)構想を紹介予定です。
F-22の後継にして「未来の空の支配者」となる機体、どうぞお楽しみに!