【第11回】Su-35 フランカーE ― 空を踊る、ロシアのエース機
Su-35は、Su-27から続く“フランカー”シリーズの最終進化型のひとつ。
見た目は似ていますが、中身は別物レベルにアップグレードされています。
その最大の武器は、「超機動性」。
空中でまるで生き物のように動くこの機体は、パイロットの意思に“反応するように”飛びます。
最大の特徴 ― 推力偏向ノズル(3Dスラストベクタリング)
Su-35の最大の特徴は、エンジンの噴射方向を変えられる“推力偏向ノズル”。
これにより、空気の流れとは無関係に機体を自由自在に動かせます。
✨ これがあることで可能になる動き:
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空中で突然静止(コブラ・マヌーバ)
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急な旋回や、180度の反転
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相手の後ろに一瞬で回り込む奇襲
つまり「空で格闘するための体術」を備えているような機体です。
レーダーとアビオニクスも最新
Su-35は、**PESA(受動電子走査)レーダー「Irbis-E」**を搭載。
ステルス機ではないものの、探知能力はかなり高く、
F-22に対しても「距離と角度によっては見つけられる」とも言われています。
また、コックピット内もデジタル化が進み、多機能ディスプレイや高度なフライ・バイ・ワイヤ制御が導入されています。
兵装も超重量級
Su-35はなんと最大8,000kg超の武装搭載が可能。
空対空、空対地、空対艦ミサイルから精密誘導爆弾まで、なんでも積めます。
しかも12か所以上のハードポイント(兵装取り付け位置)を持つため、
状況に応じた柔軟な任務遂行が可能です。
🎯 要するに「空でも陸でも海でも仕事ができる」マルチプレイヤー。
西側との性能比較では…
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F-22:ステルス性能とセンサー融合が強み
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Su-35:可動性と兵装の柔軟性で対抗
という住み分けがなされており、F-22に唯一格闘戦で対抗できる機体として注目されました。
🛡️ ステルスはないけど、“見えてても捕まらない”動きが武器。
世界への輸出実績も
Su-35はロシア国内の他、中国にも輸出され、
今後も複数国で導入が検討されています。
ただし、その性能と複雑な構造から、
**「扱える国を選ぶ機体」**とも言われています。
次回は、Su-35のライバルともいえる中国の第五世代ステルス戦闘機、J-20 威龍を予定しています。
世界が注目する“中国のF-22”、ぜひご期待ください。