【第10回】Su-30 フランカーC ― ロシアの“全部入り戦闘機”、ここにあり
「空も海も、昼も夜も、これ1機でなんとかなる」
そんなコンセプトで開発されたのが、**Su-30(スホーイ30)**です。
Su-27をベースに、複座化・長距離化・マルチロール化を果たした、
まさにロシア版「F-15Eストライクイーグル」といえる存在です。
見た目はSu-27、中身は別物
Su-30はSu-27とそっくりですが、よく見ると後席があります。
これは複座(2人乗り)仕様で、長距離任務や複雑な任務にも対応するため。
さらに、機体には多くの改良が加えられていて…
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空中給油対応
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多目的レーダー搭載
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地上攻撃・電子戦まで可能
💡Su-27が“空戦専門”なら、Su-30は“なんでも屋”です。
どんな任務にも対応できる“柔軟性”
Su-30はマルチロール戦闘機として設計されており、
ドッグファイト・対地攻撃・洋上パトロール・電子妨害など、
1機でさまざまな任務をこなすことができます。
武装も非常に多彩で、空対空ミサイル、対艦ミサイル、精密誘導爆弾などを搭載可能。
🎯「今日の任務、Su-30で全部いけます」って感じです。
2人乗りで“作業分担”が可能
複座のメリットは、パイロットと後席オペレーターで役割分担ができること。
前が操縦、後ろがセンサー・兵装操作という分担で、疲労軽減&集中力アップにもつながります。
特に長時間の任務や夜間・悪天候時には、この複座構造が大きな力を発揮します。
世界中で採用されているベストセラー機
Su-30はロシアだけでなく、中国・インド・マレーシア・ベネズエラなど、
**20か国以上に輸出された“グローバル機”**でもあります。
特にインドでは「Su-30MKI」というカスタムモデルを採用し、国産化まで進めているほど。
信頼性・整備性・コスパに優れている証拠です。
派生型も豊富
Su-30からは多くの派生型が誕生しており、
以下のように各国向けにカスタマイズされてきました。
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Su-30SM(ロシア国内向け)
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Su-30MKI(インド向け)
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Su-30MKA(アルジェリア向け)
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Su-30MKM(マレーシア向け)
いずれもSu-30の“土台の強さ”があるからこそ可能な発展です。
次回は、超機動&3D推力偏向で“空中で踊る”戦闘機、Su-35 フランカーEを紹介予定です。
Su-30の延長線にある「芸術的な動き」を、お楽しみに!