【第5回】F-22 ラプター ― 空に溶ける“透明な戦闘機”

「見えない戦闘機」。
そんな異名を持つのが、アメリカが誇るステルス戦闘機「F-22 ラプター」です。

「勝てない相手とは戦わない」そんな時代の頂点に立つ戦闘機。
その正体を知れば、ステルスの世界がちょっと身近に感じられるかもしれません。


ステルスのために生まれた存在

F-22は、「見つからないことが最強の防御」という発想から設計された戦闘機です。

特徴はその形。
鋭角的で凹凸の少ないボディ、レーダーを吸収する塗装。
エンジンの排気熱さえ目立たないように抑えられており、敵のレーダー画面に映らないよう徹底的に考えられています。

🟡もし「レーダーに映らない戦闘機が存在したら?」そんな空想が、F-22では現実です。


とにかく“強すぎた”戦闘機

F-22は空中戦のために設計された制空戦闘機ですが、
機動性・加速力・旋回力すべてが飛び抜けて高く、「正面から戦って勝てる戦闘機はない」とまで言われます。

速度はマッハ2超え。
しかも**アフターバーナーなしで音速を超える「スーパークルーズ」**が可能。

🔻敵に気づかれずに近づいて、一発で終わらせる。
“戦う前に勝っている”戦闘機、それがF-22。


実は輸出されなかった機体

F-22はアメリカ国内専用。
どんな同盟国にも売られていません。

理由は単純。
「強すぎる」からです。
もし敵国の手に渡ったら大変なことになる…ということで、今でもアメリカだけの切り札として運用されています。

📌**“絶対に売らない戦闘機”って、逆に気になりませんか?**


F-35との違いは?

よく比較されるのがF-35ですが、役割が少し違います。

  • F-22:空中戦専門(制空戦闘機)

  • F-35:多目的(空・地・海すべて対応)

F-22は“一撃離脱”のハンター、F-35は“何でも屋”というイメージ。
どちらもステルス機ですが、F-22の方が空中戦には強く、F-35の方がネットワーク戦や支援向きです。

🛠️**「どっちが強い?」ではなく「どこで使うか?」がカギになる2機種の比較もおもしろいポイントです。**



次回は、超万能戦闘機「F-35 ライトニングII」を取り上げる予定です。