僕は時々、代々木公園に歩いていく。上原の家から井の頭通りを通って。富ヶ谷の交差点を越え、バラバラ殺人があった高級マンションを脇目に過ぎると代々木公園が見える。


 上原に住むまでは公園に行くときは新宿御苑に行っていた。田舎者ということもあり都会の中にある優雅な公園という雰囲気に惹かれていたからだ。代々木公園は汚いイメージがあり、少し嫌悪していた。しかし、少し足を伸ばすようになってから代々木公園が好きになってきた。

 

 そこにはいろいろな人が集い、思い思いに自己表現をしていた。全体が幸せな雰囲気に包まれている新宿御苑に対して、代々木公園は不完全な人間たちが何かを求めて寄り集まっているように感じる。そこに行けば誰かがいて、何かがあるのではないかと。名前のない希望に似た感情を胸に「sad park」に吸い寄せられ来るのだ。

 

 かく言う自分も日曜日の昼下がりに代々木公園に足が向いている。朝日新聞の日曜版とコーヒーを手に。その寂しい場所にはいつも陽気な国の音楽が流れている。