体の痛みを、「姿勢が悪いから」
「骨盤がゆがんでいるから」
「筋肉のバランスが崩れているから」
と説明されることがあります。
こうした考え方は、
姿勢・構造・バイオメカニクスをもとに痛みをみるので、
PSBモデルと呼ばれます。
たしかにこの考え方は分かりやすく、
見た目でも説明しやすいものです。
背骨のカーブ、肩の高さ、骨盤の傾き、
左右差などは目に見えるので、「ここが原因かもしれない」と感じやすいからです。
長いあいだ、整体や運動指導の現場で
広く使われてきたのも自然なことだと思います。
ただ、ここで一度立ち止まって考えたい点があります。
今の研究では、姿勢や構造の特徴が、
そのまま痛みと結びつくとは言えない内容がたくさん出ています。
たとえば、骨盤の傾き、背骨のカーブ、
脚の長さの差、筋肉の左右差は、痛みのない人にもよく見られます。
つまり、形に偏りがあることと、痛みがあることは同じではありません。
さらに、姿勢そのものも思っているほど固定されたものではありません。
人はその時の緊張、呼吸、気分、疲労によって立ち方や座り方が変わります。
1回見ただけの姿勢を、「その人の原因」と決めつけるのは少し早いかもしれません。
では、痛みは何で決まるのでしょうか。
ここで大事なのが、皮神経、末梢神経、脳という視点です。
人の体は、形だけで痛みが決まるわけではなく、
神経から入る情報を脳がどう受け取るかでも大きく変わります。
同じような姿勢でも、痛い人と痛くない人がいるのはそのためです。
もちろん、姿勢をみること自体が無意味というわけではありません。
動きのクセや、負担のかかり方を考える手がかりにはなります。
ただし、それをそのまま「今ある痛みの原因」と言い切ってしまうと、
説明が単純すぎることがあります。
PSBモデルは分かりやすい一方で、
体の現実はもう少し複雑です。
痛みやしびれを考えるときは、見た目の姿勢だけでなく、
皮神経や末梢神経からの入力、脳の受け取り方、
安心感や不安まで含めて見た方が、体をより現実的に理解できます。
こういう視点に興味がある方は、今後の投稿もぜひご覧ください。
体の見方を少し広げられるような内容を、
これからも分かりやすく発信していきます。
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