五感教育研究所-d
インフルエンザの万能ワクチン開発…厚労省研究班

2009129提供:読売新聞

「新型」予防にも

いろいろなタイプのインフルエンザウイルスに効くワクチンを厚生労働省研究班が開発した。従来のワクチンと違い、ウイルスが変異しても効果が続くのが特徴で、動物実験で確かめた。

実用化までには数年かかるとみられるが、新型インフルエンザの予防にも役立つと期待される。

研究班は、国立感染症研究所、北海道大、埼玉医科大、化学メーカーの日油。

通常のワクチンは、ウイルス表面をとげのように覆うたんぱく質をもとに作る。接種後、ウイルスが体内に侵入すると、抗体がとげを認識して増殖を阻止する。だが、インフルエンザは、とげの形が異なる複数のウイルスが流行することが多いうえに、頻繁にとげの形が変異するため、毎年のようにワクチンを作り直す必要があった。流行する型の予測がはずれると、ワクチン接種の効果が薄れた。

研究班は、表面に比べて変異しにくいウイルス内部のたんぱく質を人工合成。それに特殊な脂質膜をくっつけてワクチンを作った。このワクチンを接種すると、免疫細胞が、ウイルスの感染した細胞を攻撃する。

実験では、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1、Aソ連型、A香港型の3種共通の内部たんぱく質を調べ、ワクチンを作製。免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスに接種した後、ウイルス3種をマウスに感染させても症状が表れず、増殖も抑えた。

ただ、これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出ないか、慎重に確認する必要がある。同じ仕組みのワクチンを英オックスフォード大も研究中という。

研究代表者の内田哲也・感染研主任研究官は「人間に有効で安全な量を調べ、一刻も早く実用化につなげたい」と話している。

現在のインフルエンザワクチンは「複合型」と言われているが、Aソ連型、A香港型の複合型であり、トリインフルエンザウイルス(H5N1)には、効果が薄いのである。

また、最近流行しているインフルエンザは、タミフル耐性という、タミフルが効かないインフルエンザウイルスなのである。

タミフル自体には、インフルエンザウイルスを死滅させる働きは無い。症状の悪化の広がりを防ぐための風邪薬である。

また、ワクチンを摂取したからと風邪(インフルエンザウイルス)に対して、効果があり、大丈夫な訳ではないのである。

症状を悪化させないのと、重度になるのを防ぐ働きがあるからワクチン摂取が効果があると言われているのです。

但し、今回の万能型「インフルエンザワクチン」は、トリインフルエンザウイルスにも対応し、このワクチンなら効果は高いと思われる。

但し、問題と課題は、安全性と厚生省の認可のために数年から3年の期間が必要であり、実用化されるのはどうも3年後ぐらいに成りそうである。

同様に同じ仕組みのワクチンを英オックスフォード大も研究中ということから、来年にはイギリスや海外から輸入としてインフルエンザ万能ワクチンが入ってくる可能性の方が高いのである。

だから、一刻も早い認可と実用化が求められているのである。

日本の薬の認可や医療の特許申請は世界一厳しいと言われているが、そうではなく、体質的にも体制も古いのであり、改革が必要だと何年も前から私共は指摘し、提唱してきた。

世界レベルからも立ち後れ、タミフルのように近いものが日本でも発明され、開発途中でスイスや海外に販売特許を譲る形で新薬が渡った経緯もあるのです。

つまり、医療の技術、研究、新薬も含め多くの頭脳が海外などに流失しているケースが多々あるのです。

これらから日本政府には、日本国内での医療の研究に関しての支援、援助などにも積極的に取り組み、今後とも日本国内からインフルエンザ万能ワクチンの開発などに着手して欲しいものである。

五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦