最近において、高齢者の歩行時の交通事故が多発している。
若い世代のなんと18倍の率で事故に遭遇しているのである。
交差点と横断歩道での事故が多いのである。特に信号機の無い横断歩道が危ないのである。
高齢者になると交通事情の認知に深く関わっているのです。
若い人達では、左右を確認したら速やかに渡ることが出来るが、高齢者になると横断歩道を速やかに渡れなくなる。
特に幅広い道路では横断も危険な場所に成るのです。
これらは歩行のスピードより、視野に関係している。
高齢者に成ると視野が若いときより、狭く成るのです。
普通私達では、首を回さなくても170度程度は確認出来ますが、高齢者になると120度以下と狭くなるのです。
また、足下がもたつくので、つい足下を見ながら横断歩道を渡るので、左から来た車に対して確認出来なく、車にぶつかる事故が多いのです。
また、高齢者になると脳の「認知」も低下しますから、交通状況の認知も低下するのです。
これは、人の脳の衰えでもあるが、特に前頭葉の判断能力も低下するので事故に遭遇することが多くなのです。
日本では左側通行なので、横断歩道を渡るとき、右側から来る車が自分の近くを通るため、意識が右側に集中する。左側は視野に入らないことがあり、車が来ないだろうと横断歩道を渡っているときには目の前(左側)からの車に対して、反応が出来なく成る。よって事故に遭遇するのである。
大きな交差点では、青信号で渡りきれず、黄色から赤に変わっていても、高齢者の方には渡ってしまう人達も多いのである。
これは、足下がおぼつかないので、足下を見ながら渡っているので、信号が変わっていることを確認出来ないのである。
私も何度も高齢者に声を掛け、止めて一緒に渡ったことが有る。
実際に、高齢者が横断歩道を渡っているときの事故は右側よりも左側から来た車との事故が1.5倍と多いのである。これが視野の狭さと交通事情の認知不足から起こるものである。
これら認知不足が脳の低下であり、「危険回避能力」の低下でも有るのです。
これらの傾向は決して高齢者だけの問題では無い。
現在の若者達や子供達を観察していると、携帯電話のメールに夢中に成っていて、下ばかり向いて歩いていると同じような現象が起こるのである。
信号が変わっても分からない。周りの交通事情が理解出来ないのである。
現に、これら関係する交通事故も多発している。
アメリカのニューヨーク州では、携帯電話や携帯音楽プレーヤーを聞きながらなどの歩行に対して、罰金を科すという法律が現在検討されているのだ。
これらが原因と思われる、若者の交通事故が多発していることからである。
以前にも指摘したが、人の脳は複雑な処理を同時に出来ないのである。
例えば、携帯電話のメールをしながら、携帯音楽プレーヤーを聞きいて、交通事情を認知することは不可能なのである。
人の認知は、側頭葉の後ろの当たりの脳部に有り、その情報の処理を前頭葉で行っているのである。
特に交通事情を把握するのは視覚が主で、90%程度を認識する。次に聴覚で車の音を確認するのであるが、携帯音楽プレーヤーなどを聞いていると視覚だけが頼りとなる。
特に後ろから迫る車に対して認知が出来なく成るのです。ましてや携帯電話でメールしていれば、視野が極端に狭くなり、高齢者の歩行以上に危険なのである。
ましてやこれらの行為をしながら車の運転では、反応時間が極端に長くなり、速度が上がっていれば比例して危険となる。
高齢者の危険回避能力を向上させるのには、脳トレをすれば良いというものではない。やはり、視野が狭くなっていることを理解し、出来れば横断歩道を渡るときにも、左を見て、右見て、左をまた見て渡って欲しい。
出来れば、幅広い横断歩道では一端立ち止まって、左右を確認し、渡るようにしたい。
信号機のある横断歩道では、黄色信号から赤信号に変わることが有るので、信号を確認しながら(見ながら)渡るようにして欲しい。
歩行に自信のない高齢者は出来れば、一人歩きでなく、同伴者が一緒に車に注意しながら渡るようにして下さい。
また、高齢者の方々の車の運転時の事故も多発している。特に視野が狭くなるのと、認知の脳力が低下するので、左側を通る人達が見えない、確認できないことで、交差点などで通行人と交通事故に遭うことが多くなっている。
これらの特徴を理解し、十分に注意して欲しい。
一方通行標識や進入禁止の標識など理解できない。分からないと感じた時には車の運転を止めるなどの対策をして下さい。
自分の命を守るだけでなく、歩行者などの命も守ることに繋がるのです。
まずは、自分の脳の認識度を理解し、普段から意識して歩行などしてみて下さい。もし、少しの異変でも感じたら、いつもの注意の仕方を変えて、無理に横断しない、大変でも歩道橋のある場所を利用するなどの工夫も必要です。
脳の認知が衰えるとその脳力を上げるのには、大変な事である。これらの脳力を上げるのには、意識をすることである。
意識は、集中力とも関わりが有り、前頭葉の活性化に繋がる。
前頭葉の鍛錬は、人とのコミュニケーション能力を高め、五感を総動員して脳に情報を送り、難しい本を読んだり、音楽を聴いたりすることでも鍛錬出来るのです。やはり、孤独に成らず、イライラしたりせず、笑いの感覚を得ることが重要である。
高齢者だから駄目だと諦めず、意識を高めることが重要である。
これらの鍛錬と共に歩行時も絶えず、交通事情や車の通る間隔、交通量などを確認しながら、横断中でも左側や右側を振り返ったりしながら、危険回避能力を高めて欲しいのです。
現在は青信号でも無視して渡ってくる車や無謀運転の若者など増えている。
だから高齢者に限らず私達でも横断や歩行には十分な注意が必要である。
これらの注意力が「危険回避能力」に繋がるのです。