音楽療法



ヒトが音楽を耳(聴覚)で聞く時に使われる脳部は、左脳の側頭葉という脳部が刺激されます。ですが、楽器を演奏したり、一緒に歌ったりする行為は、右脳の「感覚野」が刺激されます。

また、現在のエレキギターや電子音は脳への音波刺激が周波数的に刺激が少なく、その分感動するという音感覚に繋がらない。これは、揺らぎ理論、音の周波数の波の間隔が狭いことに関わっている。心地よいと脳が感じないのである。

逆に、ギターやオーケストラの楽器などの音(周波数)は脳への刺激音として適しており、モーツアルトの音楽が丁度このような「心地よい」音として脳が感じる音でもある。

高齢者になると脳の働きが衰えるが、特に最近記憶を司っている「海馬」の脳細胞の減少(死滅)によって、記憶力が低下する。

この極端な萎縮がアルツハイマー病などに疾患する切掛けにもなります。

但し、子供や昔の体験記憶などは鮮明に記憶しており、よく認知症に疾患すると自分の息子を大人に成っているのに、子供の頃のままと勘違いしたりする。

但し、ヒトの脳の特徴に衰え始めた脳部を補う働きをするのである。

これが音楽療法と結びつくと脳の活性化、可塑性(脳細胞の蘇り)が可能となるのです。このことが脳の活性化の目的です。

やはり、音楽を聴くだけでなく、大きな声を出して歌ったり、手振りで表現することが脳を活性化させる。

出来れば、楽器に触れながら声に出して歌う。この動作が衰えた脳部の「肩代わりをするのである」。

例えば、認知症の患者さんが「もう私をこの世に置いておかないで」と家族に嘆いている患者さんが、ある出来事を切掛けに回復した例がある。

それは、音楽との出会いであった。少女時代に聞いた音楽を口ずさみ、声を出して歌い出したことから奇跡的な回復をしたのである。

これらも脳の代替えという、衰えた脳部を補う働きをするのである。

これらの切掛けを造ったのが、音楽との出会いである。

また、認知症の患者さんの中には、絵心も無いのに、ある日突然絵筆を持たせたら素晴らしいタッチで絵を描き始めた患者さんも居られます。

これらは人の「潜在能力」にスイッチが入った状態である。

学生時代や若い頃に絵を描いたり、学んだことが無いのに絵を突然描き始めたなどの実例は、人間が本来持っている脳の働きなのである。

音楽はこれらの人間が本来持っている「脳力」を引き出す。衰えた脳部の代替え、脳の解放を手助けさせることを目的とするものです。

これらを理解して貰えば、今後、高齢者施設などの指導に理論的な実践と効果の具体的な説明が可能となります。

特に女性は男性と違って、左脳と右脳を活用しているので、これらの音楽療法の効果は高いし、ハッキリ出てきます。

男性は「理論的で理屈っぽい」「頑固」などの思考性が影響し、効果が低いようです。

これらの違いは脳の「脳梁」という左右の脳をジェイントしている脳部の細胞の違いによるものです。女性の方が男性より1.5倍細胞が多い。

だから、女性は直感的に優れ、言語も達者である。逆に男性は空間認知(自分の居場所)や視覚に優れ、計算などが得意である。

これらの脳の特徴も関係している。

ですから、音楽療法を取り入れるときにも、聞くことは勿論、一緒に「声を出して歌う」ことが最も重要である。同時に、手足を使って「自己表現」するように指導すると脳の活性化に役立つものです。

特に高齢者になると自己表現する能力が低下するのである。

手は外に飛び出した脳、第二の脳と言われる由縁です。

ご存じのように手足を動かすことは頭頂葉に位置している運動野が関わっている。左手足は右脳の運動野が司っている。右手、右足は左脳の運動野が関わっている。

これらの運動性神経は脳から中枢神経を伝わり、筋肉を動かす末梢神経へと連結して伝わる。この速度の速さが反射神経である。

反射神経こそ、加齢と共に衰え始める運動性の衰えである。

これらの衰えは神経系に伝わるスピードに関係している。

若い内は新幹線より速い400km以上の速度で伝わる。高齢者になると神経系の束も痩せてくるよって、伝達速度も鈍くなるのです。

これらの脳細胞以外にも神経系の伝達を促進するのも脳の活性化と連結しているのです。つまり、「脳と内臓は繋がっているということです」。

脳が活性化し、若返れば、自律神経の働き「視床下部」の脳部も活性化し、真夏の熱中症予防、免疫力のアップ(病気に対する抵抗)、活性酸素(身体の錆予防)に繋がるのが、脳の活性化させる最大の目的でもあるのです。

これらをサポートし、衰えた(眠っている細胞)を目覚めさせるのが「音楽の力」なのです。

これらをご参考に、「五感療法と楽器」を使って声を出して歌う。このことが最も効果が有ると考えられる。

五感教育研究所