臭気システム




爆発物や麻薬、偽造通貨の探索にイヌが用いられてきたが、イヌのもつ鋭い嗅覚能力を医学分野で活用する研究が進んでいる。今回米国の研究で、イヌが患者の呼気標本から肺がんや乳がんを嗅ぎ分けて検出できることが明らかにされた。

がん患者を支援する米国の非営利団体「Pine Street Foundation」(カリフォルニア)最高責任者のNicholas Broffman氏らは、イヌががん患者の呼気中成分の化学的な差を検出することができると考えた。そこでラブラドールレトリバー3匹と水鳥狩猟用のポルトガル犬2匹に対して、肺がん患者および乳がん患者の呼気標本の前では座るか横たわり、健常者の呼気に対しては反応を示さないよう3週間訓練した。

肺がん患者55例、乳がん患者31例、健常者83例の呼気を評価させたところ、早期から末期までの乳がんおよび肺がんともに88~97%の精度で検出することができた。Broffman氏は、将来イヌががんの早期スクリーニングの重要な方法となると期待を寄せる。研究結果は、医学誌「Integrative Cancer Therapie」3月号に掲載予定。

イヌのがん検出能力については、1989年に英医学誌「Lancet」に初めて報告された。ある女性のペットであったイヌが、メラノーマ(黒色腫)を発症した脚部のにおいを局所的に嗅ぐようになったことをきっかけに、イヌがメラノーマや膀胱がんをにおいによって検出することが明らかにされた。

米フロリダ州立大学感覚機能研究所(Sensory Research Institute)所長のJames Walker氏は、この種の研究や観察は慎重に検討を進める必要があると述べる。同氏は今年(2006年)後半に、イヌを用いた膀胱がんの検出研究に着手する予定である。 

また、イヌによるがん検出研究プロジェクト4件に携わる米Auburn大学(アラバマ州)のLarry Myers氏は、今回の研究に対して、イヌの訓練期間が短いことに疑問を呈する。通常は5、6週~3カ月程度要するといわれる。一方で同氏は、5~10年後には、地域の医療施設や第三世界諸国でがんのスクリーニングにイヌが用いられる時代が到来すると述べている。

米国発医療ニュースより引用、

日本では現在、犬ではなく「臭気システム」を活用し、乳ガンなどの初期発見の研究に取り組んでいる。

ヒトは病気に疾患すると独特の匂い(体臭)を発するのである。病気の種類によっても違っているのである。これら微妙な臭い(体臭)をデータ化し、キャッチするという方法である。

昔の医師は「五感診断」で打診や聴診、臭診が出来たのだが、現在の医師は検査機器のお陰でこれらの五感で診ることは少ない。

つまり、匂いによる診断「嗅診」である。

これらから乳ガンなどに疾患する前の微妙な変化(体臭)の異常を検査装置によってキャッチするというシステムである。

匂いのベンチャー企業が開発を手がけているシステムである。

近年中には実用化されるであろう!

そうすれば、乳ガン検査の痛みを伴わない検査が可能になり、患者さんに苦痛など与えずにすむものです。

今後、嗅診検査機器の開発は進むと思われる。また、MRIなどのような大型のシステムも必要なく、コストダウンが見込まれる。そうすると普及率も高まり、検査することも辛く無くなるのである。

この「嗅診」システムの開発は、日本で始めてであり、日本的な発想だとも言えるのである。

これらの検査機器の開発にも私共の会社は取り組んで行きたいと考えている。大手の検査機器のメーカーとの共同研究や開発を提案して行く予定である。

今後10年の間で日本の医療機器や検査機器、医療の技術は過去10年前に比べたら数段の進歩とスピードで進むことだろう。

但し、日本の医療の足を引っ張っているのが認可の遅れや「認知」の低さである。難病を例に挙げると1万程度の種類の難病があり、病気と認定されている数は121例、その内21例だけが国からの援助や病気の認定によって、医療費保険対応の治療が受けられるのである。

難病の殆どは、高額な治療費と医療費を患者側が負担をしなければならないのだ。高額な検査機器を導入すれば自ずと検査費用も高額に請求される。だから、この嗅覚システムの検査機器は小型でコストも低減できるものであり、検査費用も可成り低額にできるものである。

私は、この(嗅診)検査機器システムに期待をしている。

後は、患者さんのデーターや実用化に向けた実験段階でもある。

但し、厚生労働省などがすぐに認可してくれるかである。

この問題をクリアーすれば実用化は数年以内と考えられる。

日本では犬に変わって「嗅診」システムの検査機器が病気の匂いをキャッチする日も近いと思われる。

五感教育研究所、