し | 泉福寺ごえんさん日記

泉福寺ごえんさん日記

真宗大谷派の寺院こ住職をしております。
何気ないことや、思ったこと感じた事を書いてます。
普段のごえんさんでごじゃります。

命が終わることを「死」といいます。
 
植物で言うなら「しなゆ」という言葉になります。
 
「しなゆ」は「しな」+「ゆ」で
 
「しな」は萎れること。
 
水分が少なくなることです。
 
「ゆ」は自然にそうなることをしめす言葉。
 
「しぬ」「しなゆ」は萎れる状態なのです。
 
植物は萎れていても、それが最終ではないです。
 
萎れて、そして「枯れる」のです。
 
人の死も、最終ではないのです。
 
みずみずしさが無くなっただけです。
 
 
植物が「枯れる」というのは
 
完全に水分が無くなった状態です。
 
「かれる」の古語は「かる」です。
 
「かる」は「枯る」という漢字だけではなくて
 
「離る」という漢字もあります。
 
はなれてしまう。
 
大切なものが離れてしまうということです。
 
人間も植物も、水分が乏しくなると、
 
「しぬ」「しなゆ」と呼ばれる状態になる。
 
いよいよ水分が無くなると「かる」といった段階になる。
 
残されたものが「亡骸」。
 
亡骸はどうするのかいうと
 
「葬」。ほうむるという事をするのです。
 
ほうむるは「放る」ことで、草むらに「はなつ」(放つ)。
 
大地に帰るという行動をするのです。
 
 
その大地から「たね」を育み、「め」を出し
 
「はな」を「さか」せていくのです。
 
さか?って?
 
「幸い」の古語は「さきはひ」といいます。
 
「さきはひ」は「さき」と「はひ」で
 
「はひ」は、ある状態が長く続くことです。
 
「さき」は「咲く」(さく)の事で
 
「さく」が「さか」「さき」「さけ」と変化していきます。
 
つまり「さきはひ」とは、花が長く続く状態と
 
いう意味になります。
 
花が咲き溢れてずっと続き状態を
 
人は「さきはひ」、「さいわい」→「しあわせ」と
 
表現したのです。
 
お内佛やお墓にお花を添えて
 
自らの心の中に、花を溢れさせ
 
その状態を長く続け、「しあわせ」を感じて
 
いきましょう。