勇気と行動力 | 泉福寺ごえんさん日記

泉福寺ごえんさん日記

真宗大谷派の寺院こ住職をしております。
何気ないことや、思ったこと感じた事を書いてます。
普段のごえんさんでごじゃります。

人には、性分があります。


外向的な方


内向的な方


「勇気」と「行動力」について


2人の偉人の話を対比してみました。


コロンブスとファーブル。


コロンブス
ファーブル




コロンブスはイタリアの冒険家。


16世紀に未知だった



海の向こうに船出して



「新大陸」を発見した偉人。



16世紀時代は、海の向こうは


「滝」のように海水が落ちていて



そこまで行くと「奈落の底に落ちてしまう」と


本気で信じられていた時代。



そこに、コロンブスは船出をしようとした。



ジパングという黄金の国があると信じて。



船出をするには船がいるし


お金もいる。



そこで、コロンブスは国王に頼んだ。



あっさりとお断りをされる。



コロンブスは次にどうしたかというと



国王に暴言を吐いた。



逆切れちゅーやつやね。


そして国外追放される。



スペインに向かう途中で



奥さんは病死してしまった。



一人スペインをさまよって



お金も食べ物もなくなってしまう。



修道院に助けを求めて



入った修道院の神父さんが



スペイン女王と親しい人で



女王の援助で


船を用意してもらうことになった。




くじけないねぇ~





いよいよ「ジパング」に向けて出発。



行けども行けども海ばかり。



船の船員も不安が出てきた。



ほんまにそんな国があるんかいな?



船員は日々、怖くなってくる。



しまいには、コロンブスを殺して



帰ってしまおうってな話も出るほど。



それでもコロンブスは皆を説得しながら



船を前に前に走らせ



ついに「インド」に着き



続いて新大陸を発見した。



すごく感激しただろうなぁ。



後になって、わかったけど



最初に着いたのは「バハマ諸島」で



最後に見つけたのは「ハイチ島」だった。



この歴史的航海から戻ったコロンブスは



スペインでヒーローとなった。





コロンブスにも迷いはあった。



「やるか」「やめるか」



「行くか」「戻るか」



恐怖心もあっただろう。



でも、いつも「やる」方を選んだ。



やめる理由はいくらでもあったのに。



ここでの法則。



生きていくには、いつも目の前に



「Yの字」があるということです。



安全で、危険も失敗もない道。



危険も大失敗もありうる道。



安全な方を選んじゃうよね。




安全第一(笑)



でも、成長とか夢の実現を本気で



考えるなら、どうしても



危険な法を選ばなければならない時もある。



いつも危険な方を選ぶことはないけど



安全な方を選んでばかりだと



成長も夢の実現もありえない。



安全な道へ行く理由は



いくらでもある。



「恥をかきたくない」



「失敗したくない」



「怖い目にあいたくない」などなど。



周りの人の声もあるだろうし。



「そんな馬鹿馬鹿しいことやめとけ」



「そこまでする必要ない」



「そんな事より他にすることがあるでしょ」など。



コロンブスもやめる理由は山ほどあったが



いつも勇気をもって自分の信じた道を



積極的に選んだからこそ



偉業を成し遂げられた。



内向的な人には



コロンブスは「すごいなぁ」



「勇気あるなぁ」



でも、自分には無理だなぁという



感想しか残らないかもしれない。




内向的な人にコロンブスのような



勇気を持ちなさいとは言えない。



慎重で先行不安の強い内向型の人には



こうした「勇気」は性分に合わない。



内向的な性分で「勇気」と「行動力」を



示した人が、ファーブル。




昆虫記のファーブル。



ファーブルはフランス人で



小さなころから虫が大好きだった。



地面に這いつくばって虫を観察していた。



近所でも有名で



「また、地面に這いつくばってるよ」と



怪訝そうに見られていたらしい。



明けても暮れても虫、虫、虫。



「虫オタク」だな。



皆に何と言われようと虫の観察を



ずっと続けていた。



これも「勇気」のいること。



晩年の30年は、身近な虫の観察だけで



十分だとばかりに



庭から1歩も外に出なかったらしい。



こうなると「ひきこもり」だな。



研究に没頭し続けた。



ファーブル」は



「仕事に没頭して、ただの1分たりとも



休む暇のない時ほど幸せだ」



という言葉も遺している。



これもすごい行動力だ。



昆虫の研究を一生涯やり通し、



後世まで残る名署



『ファーブル昆虫記』が生まれた。



人には外向型、内向型という



気質があって


コロンブスのように



冒険にエネルギーを注ぐことを



好む人と




ファーブルのように



研究テーマを追究したり



考えたりすることに



エネルギーを注ぐことを



好む人がいる。



どちらが優れているとか



いうことではない。



コロンブスも昆虫の観察を



ずっと続けていくのは



苦手だろうし



ファーブルが未知の世界に



命がけで船出するのは



できないだろう。



性分に良い悪いがあるはずがない。



それぞれ役割が違うのです。



自分の持てるエネルギーを



外側か内側かに存分に



発揮すればいいと思えば




自信も湧いてきます。