修二会とは二月(新暦に移行し、三月)に寺社が行う法会のこと。
奈良の東大寺の「お水取り」が有名ですが、薬師寺では「花会式」と呼ばれています。

これは嘉承2年(1107年)に堀川天皇が皇后の病気平癒を祈り、翌年、回復した皇后が10種(梅、桃、桜、椿、山吹、牡丹、藤、杜若、百合、菊)の造花を奉納したことから、始まりました。色とりどりのお花に囲まれてとても華やかな雰囲気の薬師如来さまです。

3月23日のお身拭いからはじまり、31日の「鬼追い式」が結願(けちがん)となります。


今回は初夜と半夜と呼ばれる行にお邪魔しました。



本尊は薬師如来。

病気を直す仏様ですね。左手に薬壺(やっこ)持ってます。

薬剤師としてはしっかりお参りせねば。

扉の隙間から花が供えてあるのが見えます。

内部は写真禁止なので、南都銀行さんのショーウィンドウの写真をお借りしました。







椿


杜若


百合


午後4時過ぎ、薬師寺に到着。

桜が満開でした。

そのまま、法要に参加できるのかと思いきや、一旦、5時に閉門。お寺を出ることに(ちゃんと調べていけばよかった‥)。

近鉄の西の京駅、何もない。ほとんどのお店、5時に閉まっていました。奈良駅に戻るほどのことでもなし。しょうがないので、駅のベンチで時間潰し。
開門時間になったので、再び、薬師寺へ(この時は入山料、無料でした)。


夕闇に浮かびあがる西塔
日中の壮麗な姿とは異なる重厚で妖しい雰囲気があります。


「凍れる音楽」とも称される美しい東塔です。
翌日は雨予報だったので、お月さまに傘がかかっていました。


薬師寺は女人禁制ではないため、お堂の中に入れていただけます。本日の法要参加者は30人位でしょうか。
2時間半以上かかるとのことですが、イスも用意してくださっていました。
この法要を取り行う練行衆、それぞれの役割があります。
(多分、一番偉い)大導師 加藤長胤師
(堂内を結界する)咒師  高次喜勝師
(総責任者)   堂司  生駒基達師
(その他7名)  大衆
この咒師の高次師、奈良のタウン紙?「ならら」で法話を掲載されています。道教の仙人になる様をスターウォーズのオビワンケノービに例えたりと、わかりやすく、おもしろく、説かれています。と、いうことで、ちゃっかり、高次師の後の席をゲット。

午後7時
練行衆が登場。
三度の銅鑼の音とともに始まります。
迫力ある声明が堂内に響きわたります。
「なむや〜南無薬」
普段、耳にするお経(お葬式の時ですもんね)とは異なり、生命力に溢れた、アグレッシブな声明。

刀を持って堂内を走りまわり、四隅に結界を張ったり、佳境になると照明を落としたりと、演出効果抜群。

一斉に散華を撒かれたら、思わず、拾いに出てしまいます。



堂内に響き渡る声明、地から伝わる振動。

妙な高揚感と一体感そして、異次元に迷いこんだかのような浮遊感。

これはもう1000年前のコンサートですな。

あっという間の2時間半の行でした。

終わった後は精神的にデトックスされ、浄められた気分になりました。

今度は後夜、宸朝の行に参加してみようかな?