こんにちは、ちえママです。

 

 

「作曲の科学」パート2

 

ロックやポップスは意外と保守的!? 「和音」が心に響くワケ。

「ユーミン」と童謡の深〜い関係とは?

 

みなさんは「音楽の三要素」をご存知でしょうか? 音楽は「リズム」「メロディ」「ハーモニー」の3つからできている、という考え方のことです。
そのなかで、今回は「ハーモニー」に注目。音楽の美醜のカギを握る「和音」について、大ヒット『作曲の科学』の著者である、マリンバソリストで作曲家のフランソワ・デュボワさんに教えてもらいました!

 

「和音」と「不協和音」の違い、知っていますか?

「不協和音」という言葉は、音楽に縁のない人でもよくご存じでしょう。

調和を乱す行いや発言を指して、一般的にもよく使う表現です。

音楽では一般に、複数の音が同時に鳴らされた際に、各音のあいだの音程が耳障りに響く関係にある和音をいいます。

反対に、美しく響くのが「協和音」です。

美の基準に絶対的なものなどありそうにないのに、和音についてはなぜ、美しい/醜いと呼び分けるのか。

ちょっとふしぎな感じがしませんか?

 

じつは、その違いは単に音楽の種類や弾き方、前後の音の連なり、楽器構成や文化的な背景から生じるものなのです。

たとえば、同じ協和音でも騒々しく弾けば耳障りに響きますし、不協和音をやさしく弾けば心地よい音色になりえます。

 

悪魔の音階「トライトーン」

なかでも、和音の美醜に関しては、時代性の問題が大きいとされています。

いまでは当たり前の「トライトーン」(三全音。隣りあう4つの音どうしの開きが3つとも全音になる音程)の和音も、中世では「悪魔の音」とされていました。

 

Photo教会から演奏することを固く禁じられ、この和音を書いた者は火あぶりにされていたというのですから驚きです。

このことからもわかるように、旋律の美の基準は、決して一つではないのです。

また、不協和音を駆使することで、独特のかっこよさやミステリアスさを創り出すことに成功している音楽家もいます。

その代表格が、ジャズピアノの巨匠、セロニアス・モンクです。彼の曲には、典型的な不協和音である「ド・ファ#・ラ♭・レ♭」などが登場します。


旋律に対する美醜の意識がさまざまに異なることは、世界各国の民族音楽を聴き比べると、さらに一目(一耳?)瞭然ですね。

アフリカ、インド、タイ、インドネシア、日本、沖縄、アラブ諸国、世界各地のどの和音にも独特の存在感があり、それぞれの美しさを発揮しています。

 

「クラシック」っていつごろの音楽?

 

みなさんは、いわゆるクラシック音楽が、いつごろ作られた楽曲を指すかご存じですか?

じつは、その範囲は意外に狭く、18世紀半ばにバッハの『平均律クラヴィーア曲集』が完成してから20世紀初頭までの、わずか150年ほどの比較的短い期間に、しかも西洋社会で作られた曲たちに限って、こんにちの私たちは「クラシック音楽」と総称しているのです。

音楽の長い歴史と多様性から考えれば、クラシック音楽がごく限られた範囲にすぎないことがわかります。

クラシック音楽時代の特徴として、

音楽理論が飛躍的に整理されると同時に、楽器自体が目覚ましい進化をとげたことが挙げられます。

楽器が進化するということは、すなわち音が安定し、音域が広がり、演奏技術が豊かになる、といったことを促します。

また、楽器が進化するにつれて、合奏用としてオーケストラに迎え入れられるようにもなりました。

当初は室内楽の編成のように小規模な、あるいは少数の楽器による合奏だったのが、楽器の数が増えることで、オーケストラを構成する人数が増加していきます。

その大所帯に演奏してもらおうと、こんどは作曲家たちが腕を競うように次々と新しい交響曲を発表していきます。

さらには、当時の、腕に覚えのある演奏家たちが自身の技術を際立たせるために、あえてテクニックをひけらかすかのような難解な曲を書いていくようになったのです。

ピアノでいえばショパンやリスト、バイオリンならパガニーニなどがその代表格でしょう。

 

慣れた和音には飽きが来た

 

さてこの時代、

新しい和声学や新しい楽器のために、多く の作曲家たちが無数の曲を書いていきますが、

やがて時の経過とともにパターンが定着してくると、慣れ親しみすぎた和声法と和音を使うことに徐々に辟易するようになっていきます。

そのような雰囲気のなかで、

19世紀にはワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』やドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」などに代表されるように、「不協和音をわざと入れてやれ!」とばかりに和声学を無視した曲構成が展開しはじめます。

さらに、

20世紀に登場したストラヴィンスキーの『春の祭典』やバルトークの「弦楽四重奏曲第4番」など、和声学を崩壊させた曲作りが世の中に発表されていき、いわゆる現代音楽の時代の幕開けとなるのです。

特にドビュッシーは、「ジャズの父」とよばれるほどに、音楽に新たな和声の切り口を提案しました。

そして、そのドビュッシーの影響を強く受けたモダンジャズを代表するピアニスト、ビル・エヴァンスが「和音の転回」という手法を駆使しはじめたことで、モダンジャズはいよいよ盛んになっていくのです。

ジャズの世界で不協和音が積極的に使われるようになる前夜、じつはクラシックの作曲家たちによる革新が先行しておこなわれていたという事実には興味深いものがありますね。

 

ポップスやロックは、じつは「伝統的」音楽だった

 

21世紀の現在、私たちが日々耳にしているポップスやロックミュージックは、いったいどんな理論に基づいて作曲されているのでしょうか?

意外に思われるかもしれませんが、かつてクラシックの巨匠たちが「もう飽きた!」と一蹴した「和声学」に基づいているのです。

つまり、オーソドックスなクラシック音楽の基準によって指定された協和音の感覚(旋律への美醜の意識)に基づいて、現代の曲作りがおこなわれているわけです。

ジャズや現代音楽で多用されている不協和音を「野蛮な音」とよんでいた18世紀の感性で、20世紀後半以降のロックが作られている。ロックミュージックの存在意義を考えると、じつに面白い状況です。

そのような曲の代表例としては、レディー・ガガ「Poker Face」や U2「With Or Without You」があります。

少し前でいえば、ビートルズの「Let It Be」も同様です。

一周回って元通りのような、ちょっとふしぎな現象は、なぜ生じているのでしょうか? じつは、文化的な背景がきちんとあります。

 

源流は「民族音楽」にあり

 

18世紀に確立された和声学は、当時のクラシック音楽のみならず、さまざまな民族音楽にも影響を与えました。

時代の最先端だった和声学の理論や音の魅力が、当時の大衆文化に伝播していくのは、ごく当たり前のことでもあります。

やがて、

ヨーロッパ各地の伝統民族音楽──ケルト音楽からブルターニュ音楽、ブルガリアン・ヴォイスとよばれる女声合唱からイタリアのカンツォーネまで──が、和声学の影響を受けて変化していきました。

その過程では、

個々の伝統民族音楽において使用されていた民族楽器が、18世紀以降に誕生した新しい楽器に置き換えられていく、ということも起こりました。

なぜなら、

和声学の確立は、楽器の発達の仕方にも大いに影響を与えており、時代の流れの中で生き残った楽器がある一方、廃れてしまった楽器も大量にあるからです。

現代のロックミュージックやポップスは、良くも悪くも和声学の影響を多大に受けた伝統音楽から派生した枝葉の先に位置づけられます。

したがって、

あたかも連綿と続く遺伝子のように、18世紀の和声学の影響を深く受け継いでいるのも、ある意味で自然な流れといえるのです。

 

「耳に残りやすい」ことが生き残るカギ

 

大きな歴史の流れがわかった後でも、もう一つ疑問が残りますね。

和声学の伝統が、ポップスやロックミュージックのなかで今なお生き残っているのはどうしてなのか?

いくら影響を受けたとはいえ、伝統民族音楽を通じての間接的なものですし、何より300年もの時間が経過しています。

それなのに、現在でもはっきりわかるほどにその伝統が息づいているのはなぜなのか?

その理由には、音楽につきものの、ある特徴が関係しています。

それは、耳に残りやすい構成をしているから、なのです。

あるいは、歌いやすいから、覚えやすいから、踊りやすいから、と言い換えてもいいでしょう。

音楽を聞いて思わず歌詞を口ずさむ、あるいは体が動いてしまう、という経験は誰にでもあると思いますが、そのような曲はたいてい、歌いやすくて覚えやすい、つまり、耳に残りやすい音の構成をしています。

これは、音楽のとても重要な側面であり、たとえ専門的な勉強をしていなくても、特別の素養がなくても、

耳でコピーしてリズムやメロディ、歌詞を再現できる、覚えられるというのは、絵画や彫刻などの一定の訓練が必要な他の芸術とは大きく異なる特徴です。

ロックに関しては一概に歌いやすいとはいいにくい楽曲もありますが、大衆向けのポップスでは、その傾向がより顕著に出ています。

かつてレディー・ガガがインタビューに応えて、「いい曲というのは、踊りやすくて、覚えやすいものを指すと考えているわ」と明言していました。

音楽の特徴を的確にとらえた、ポップスの女王ならではの言葉だと思います。

 

ユーミンを聞くと「落ち着く」理由

 

日本の楽曲でいえば、民謡や演歌、あるいは学校で習う童謡などが、歌いやすくて覚えやすいものの代表でしょう。

「さくらさくら」「うさぎ」「うれしいひなまつり」などは、ほとんどの人が歌えるのではないかと思います。

これらの曲には、日本ならではの音楽の伝統に基づいた「耳に残りやすい音の構成」がなされているのですが、ご存じでしょうか?

それは、「ヨナ抜き短音階」という音階が用いられていることです。

「ヨナ」というのは、明治時代に「ドレミファソラシ」のことを「ヒフミヨイムナ」と、1〜7を意味する和名でよんでいたことに由来します。

「ヨナ抜き」なので、ヨとナにあたる音を抜く、

つまり、音階の4つ目と7つ目の音、長音階ではファとシ、短音階ではレとソを抜いた音階で曲を作ります。

先の童謡に加え、たとえば「東京音頭」なども、ヨナ抜き短音階で構成されています。

じつは、現代のポップスにもヨナ抜き短音階を使っている楽曲があり、松任谷由実の「春よ、来い」がそうです。どこか懐かしい郷愁をそそるあのメロディには、日本人が幼少期から慣れ親しんでいる童謡と同じ響きが含まれているわけですね。!!!!!!!

 

 

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