私と純は高校を卒業して、大学生になっていた。

お互いに勉強しながらも、バイト漬けの日々。

デートもままならず、こんなんでよく付き合っていられるなぁって思っている。

「はぁ、今日もバイトかぁ。」

玄関を出て、ため息をつくと、隣の家からもため息と同じく、純の声が聞こえた。

「あ、純、おはよう。今日もバイト?」

「うん、人が足りなくてさ。」

「私も急に病気になった人の代わり。」

「なぁ、ヒカリ、今度さ、休みを合わせて、どこか出かけない?」

「うん!行く行く!って、珍しく純が誘うなんて。」

「なんだよー、たまにはいあじゃんかよー。それに買いたいものがあるから付いてきてよ。」

「まぁ、いいか。はーい!付き合ってあげまーす。」

じゃあな、といいながら、純は自転車、私はバスでそれぞれのバイト先へとわかれた。

へぇ、たまには誘うなんて。とヒカリは微笑んだ。

純と遊びに行くなんて、海に行った以来だし、あれから、受験にバイトに勉強にと、会うことは会うけど、忙しかったからなぁ。

また、LINEすればいいや。なんてウキウキしながら、ヒカリはバスに乗り込んだ。