◆共産党支持者と自民党支持者の票で当選した原口一博氏!
佐賀県の衆議院議員選挙佐賀一区は原口一博(元民主党副代表)が当選確実となった。
今日の8時代後半のNHK佐賀のニュースで、投票所の出口調査の結果を伝えていたが、これによると共産党支持者の約7割が原口候補へ投票したという。原口候補は無所属で出馬し、「市民連合さが」を介して日本共産党と政策協定を結んでいた。その内容は、、「平和安全法制」に反対することや、憲法9条改正の阻止、オスプレイの佐賀空港配備反対等、日本を蹴散らして北東アジアへの本格的進出を狙う中国共産党の意向を代弁するようなものばかりであった。
日本共産党の意向を原口氏が代弁してくれるというのだから、共産党支持者の多くが原口氏へ投票したのは当然であろう。

しかし、不思議なのは自民党支持者の約3割が原口氏へ投票していたことである。恐らくは、原口氏へ入った票の約三分の一は自民党支持者の票であろう。これは、民進党支持者の票と同じくらいか、もしくはもっと多いくらいかもしれない。

◆原口氏は鵺か?!

自民党と共産党ではその政治的立ち位置は極端に違う。しかし、その両方から原口氏に何故票が入るのだろうか?
理由は二つ考えられる。
まず一つ目は、原口氏の政策ではなく、原口氏個人の人気に投票した人が多かったということである。原口氏はテレビのバラエティ番組などにもよく出ていたので、佐賀では顔と名前が割と知れている。タレント議員みたいな面があるのである。政治的な主張は関係なく原口氏に投票した人がかなりいたと思われる。

もう一つは、原口氏の政治的主張がわかりにくいことである。何を言いたいのかいつも今一つわからない。

例えば、憲法9条の問題。佐賀新聞が原口候補に、憲法9条への自衛隊明記について尋ねているが、「どちらともいえない」と返答している(10月12日20面)。共産党などと結んだ政策協定書には「憲法9条改正の阻止」と書いてあるのにである。

頭が悪いのか、わざとやっているのかは不明だが、この曖昧さが自民党と共産党の両方の票を集められる理由なのであろう。
いずれにしても、あまり褒められた票の集め方でないのは確かである。
もっと言えば、原口氏の当選は、多くの佐賀県民が立憲民主党や共産党の主張に共感した結果では決してないのである。