私は普段から台北の台湾企業で日本語人材一人という環境で働いているため、お客さんと話す以外は日本語で話す機会がほぼない。

 

そんななか、唯一、毎日日本語を話せる相手が、小学二年生の上の娘である。

 

 

 

日本語を忘れかけ、少し外国人訛りの日本語の娘…

 

鬼滅やらアニメを日本語版でみて、偏った日本語を絶賛更新中の娘…

 

第一言語の中国語にすら日本語の影響で少し日本人訛りがあるといわれる娘…

 

 

世で言われる “かっこいいバイリンガル“ とは程遠いおもしろかわいい娘の言語について今回は書いてみようと思う。

 

 

 

 

 

基本的に我が家は父親が日本語が話せない台湾人で、また日本人の母である私自身も台湾人に溶け込み楽しく生活している。

 

よって、子供達には台湾では普通の台湾人として、みんなと一緒に成長して欲しいという想いから、特に日本語は教えていない。

 

 

私自身それに対して、そこまで何も思わなかった。

むしろ周りの台湾人から、もったいない!から日本語教えろとよく言われたが、いや、娘がやりたいというなら、その時、自分の意志で勉強すればいいのではないかと思っていたし、やはり、何より、フルで父親さながら働く私にはその余裕はなかった。

 

 

そんな上の娘がなぜ日本語ができるようになったかというと、下の子の育児休暇で日本に半年帰国したからだ。

 

 

 

そのとき娘は年少さん。

運良く私の母校の園長先生が 日本語ができなくてもまあすぐできるようになるでしょう~!とおおらかな気持ちで受け入れてくださり、娘は日本の幼稚園に通うことになった。

 

 

 

初めはわりといい加減な私も流石に少し心配したが、やはり子供の適応能力はすごいもので、初め2,3日は泣いてはいたものの、すぐに慣れ、普通に楽しく幼稚園に通いだした。

 

 

 

 

 

そんなある日、いつものように迎えにいくと、娘がみんなで大笑いしながらバスから降りてきた。

 

 

 

まだ、日本語も話せないのに??なぜ?と思い、

 

 

 

何話してたの?

 

 

 

と聞くと、理由はまさかの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

「うんこ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







 

「うんこ」というとみんな笑うの!と満足げに話す娘。

(中国語のできない祖父母との暮らしで、生活に必要な単語、おしりを拭いてもらうために必要な単語、「うんこ」は早々に習得していた。)

 

 

 

 

なんて、すばらしい!!!!

 

 

 

 

そのとき、私は深く感動した。

 

もちろん、「うんこ」「おしり」の類の言葉が幼児の中でテッパンなのは知っていたが、

 

まさか、子供たちの心の壁も一瞬で取り払ってしまうパワーを秘めていたとは。

 

なるほど、うんこドリルおしり探偵が生まれるわけだ!

 

 

 

うんこ様が娘を導いてくださったと言っても過言ではない!

 

 

 

 

そう言えば余談だが、以前、ロンドンで出会った日本人の芸術家の卵の女の子が、けっこー綺麗めの女の子が、

 

「私、おばあさんになっても、うんこで爆笑してる様な人生を送るのが目標なんです!」

とキラキラした目で話していて、やっぱり芸術家は違うな!と思ったと同時に、うんこが妙にカッコよく見えた事があった。

 

まさにその時と同じぐらい、いや、それ以上に娘を救ってくれたうんこは誇らしく見えた。

 

 

 

 

とにもかくにも、こうして、うんこによって娘の日本留学(日本の幼稚園)生活の門は開かれたのであった。

 

 

続く

 

とりあえずうんこドリル。