">■高齢者を取り巻く現状
我が国は、戦後の高度経済成長期に産業構造・社会構造が大きく変化し、あわせて都市化・核家族化も進行した結果、家族形態や高齢者を取り巻く環境の変化にも繋がり、現代社会では高齢者の孤立死・孤独死,引きこもりや高齢者家庭を狙った詐欺等の経済被害、声を出せない高齢者に対する虐待・犯罪が増加し、かつ深刻化しております。
メディアでも「ゴミ屋敷」「認認介護・老老介護」の実態や「高齢者施設での死亡事故」。また介護疲れからの家族内犯罪や介護を担う家族の心身の疲弊、加えて介護のために退職を余儀なくされた末の経済的窮状等さまざまな問題が連日のように報道されています。
いうまでもなく近年の医療技術の進歩は著しく平均寿命は伸び、それに合わせるかのように介護の必要年数も伸び、介護に関する環境も大きく変化しています。
核家族化、少人数家庭化から家族内だけの介護は限界となり、2000年に介護保険制度・成年後見制度が開始されるところとなりました。これら諸制度の開始から10年が経過しておりますものの、高齢者を取り巻く問題はいっそう増加して複雑化・深刻化しているのが現状です。
今後、高齢化が一層進み『高齢社会』を経て、『超』高齢社会になることが見込まれるところであり、そうした世界に類を見ない『超高齢化』社会に対処するためにも、既に顕在化している高齢者に関する問題に対し、あらゆる分野で対応策を検討していくことが極めて重要であると言わざるを得ません。
都市部においては都市化や核家族化とともに地域との関係性の希薄さが顕著になっており、また地方都市においても例外ではなく高齢化に歯止めが掛からず限界集落化がより深刻となり、地域住民の相互扶助にも限界が生じつつあります。