○ 上段:病院全景 下段:元気君売り場
生体の流れ(了)
◇転 院
9月20日朝食中の朝8時頃、<少し早く着き過ぎた>と息子からLINEが入った。僕は<カーちゃん(家内)もまだだし、充分時間があるから近くのコンビニで 朝食して>と伝える。金曜日は五十日(ごとうび)、少し早めに着いて準備しなければと早めに出てきたのだろう。9時少し過ぎ、転院先は「仙台リハビリテーション病院」、に向けて出発した。
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病院はまだ開発途上の住宅の緑豊かな場所にあり、開院から10年ほどしか経っていないのでまだ新しい。リハビリ3部門(理学、作業、言語)には百名近くの若い療法士さんがそろっており、リハビリは各部門それぞれ数十分ほど行われる。毎朝9時頃それぞれの担当する療法士さんが訪れ、部屋に張った週間予定時間割表に名前と時間を記入して1日が始まる。
患者主体で組まれるリハビリには土・日・祝日はなく、回復期の早い時期での集中したリハビリの効果を強く意識して取り組まれている。
素人目に理学療法と作業療法のリハビリ(施術)は似ているが、何回か受ける中で違いが分かってくる、そして決して無理はしない、整体にかなった方法で少しずつ修正を繰り返し積み上げて行く、歯がゆいが気長に取り組んでいくのが肝要である。
◇退 院
ところで、一週間の予約待ちで空いた部屋は3階北側の個室、朝日は当たらないが緑豊かで眺めはいい。最初は大広間で良いと思っていたのだが、使用料は高いが個室は何かにつけて重宝である。特に水の大切さから温水もでる洗面台を自由に活用できること、たとえば二日も三日も風呂に入らない体をリハビリしていただくに忍びないとすれば、週2回の入浴の補完もできるのである。
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病院の一日は食事と嚥下訓練、ラジオ体操そして各種リハビリで始まり終わる。
間食はご法度、三度の食事は計算された病院食、味気はないもののリハビリ源と心得てみんな食する。かような事態になったればこそ、早く回復して娑婆に戻ろうとする神妙な意思が働くのだろう。
いずれにしてもリハビリのスタートラインは皆違う、個室に掛けた町田宗鳳師“風の便り”の今日のカレンダー「比較をやめる」にその思いが刻まれている。
まさに、<短い人生 少しでも楽しく こだわりのない生き方を>
▽退 院
退院が明日に迫って来た 振り返ると、
療法士さんは20代から30代40代の若いお兄ちゃんやお姉ちゃん、リハビリは歯を食いしばっての訓練にあらず、体をなじませながら緩やかに行うので気持ちが開放するのだろう、多くの患者はくったくない会話を楽しんでいるように見える、これもリハビリ効果なのだろう。
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僕のリハビリの主な目標は自由な歩行を取り戻すことにある。
1ヶ月の成果は上々、前半は緩やかな基礎訓練を重ね身体を作り、後半はその成果の実践に療法士さんとの歩行訓練が入るので楽しい。
リハビリ開始10日目頃から秋晴れに街路樹の歩道を踏みしめ、いろいろな造りのお家やお店そしてお花を眺めながらほぼ毎日2~3km歩く楽しい思い出である。
「住めば都」とよく言ったものだ。
家内や子供たちがよく訪れ話ははずむし、まして娑婆を忘れたわけでもない、しかしここでの生活が楽しい、そしてもっと居たいとも思うのである。
心の様相、まことに恐ろしい。
しかし明日退院に合わせ息子が食事会を設けてくれたようだ。
新たな新しい現実が始まろうとしている。
・・・・・・・・・・了

