用を足して個室から出てきた私は、洗面台が並んだ場所に黒いキャップを被ったヒョロリと背の高い男性がいるのを見つけました。
最近は、トイレ掃除に男性女性関係なく入られるのね。
と思いつつも、なんとなく気まずくなって、急いで手を洗って、その男の人をすり抜けるようにトイレを出て来ました。
その数日後、
「そういえば、あのトイレは何処のトイレだったっけ?デパートだっけ?駅だっけ?」
と主人に話すも、
「ここ一ヶ月半は何処にも遠出やショッピングに行ってないし、昨日久しぶりに外食した時もトイレには入ってなかったよ」
という返事。
混乱しました。
あんなにはっきりした記憶なのに、あれは、あの夢にしてはとても現実的で地味な出来事は、私が見た短い夢だったようです。
夢と現実が分からなくなることはたまにあっても、こんなにはっきりと区別がつかなくなったのは初めてで、とても怖くなりました。
暫くショックで、ぼんやりしている私に、
「考え込んでは駄目だよ🙅」
と主人が優しく背中を叩いてくれました。
そんな2月のある日でした。