ペルー旅行 番外編
先祖代々秘伝の「タレ」の話
ペルーに行って以来、「水」の魅力に取り憑かれ、これまで毎朝の電車通勤中に買っていたお茶をやめて、今は水に切り替えています。
写真は、マチュピチュ遺跡の灌漑設備
水のブランドについては、特にこれといった好みは無く、これじゃないとダメということはありません。強いて言えば、キンキンに冷えていることが購入の決定打となります。
時間帯にもよりますが、東京の朝の通勤電車というのはだいたい満員で、スマホを操作するのも邪魔になるほど窮屈な状況です。とりわけ季節が夏ともなると、いくら冷房が効いているとはいえ、満員電車の車内は不快な状況が続き、10分もすれば喉の渇きを訴えるようになります。
写真は、マチュピチュ遺跡の灌漑設備
個人的な話ですが、片道1時間の通勤時間の中で、その中間地点にあたるのが日暮里です。また、ちょうどその日暮里に来る頃が水分を欲するタイミングとなりまして、しかしながら残念なことに、日暮里の自販機はキンキンには冷えていないのです。
一方、遡って、まだ水分に飢えていない出発地点の最寄駅の自販機では、キンキンに冷えた水が容易に手に入ります。
冒頭でお話した通り、私の水の購入条件は、ブランドや成分内容ではなく、キンキンに冷えていることなので、日暮里では買うことは殆どなく、ちょっと早いけど最寄駅で買うのが通例です。
まだそんなに飲みたいと思わないタイミングで買ったキンキンに冷えた水ですが、せっかくなのでキンキンMAXのときにひと口、ふた口飲みます。飲んだ後はカバンに忍ばせておけば、再び日暮里で飲むときも、新たに日暮里で買う水よりは冷えた状態で飲むことができます。残ってる量にもよりますが、一度キンキンに冷えたものは、適度な保護環境を作ってあげることで、ある程度低い温度を持続させることができるのです。
でもさすがに会社に着く頃には、途中で何度か飲んでいるので量も減ってるし、開けたり閉めたりすることで温度も上がってしまっているため、キンキンとは程遠い状態となっています。
そこで、会社まで持ち込まれた半分に減った旧キンキンの水は、社内の給湯室に置いてある冷蔵庫に入れることで、時間をかけて再びキンキンに冷えた水に蘇らせます。
このようにして、朝最寄駅で購入したキンキンに冷えた水は、半分に減ったキンキンでは無くなった状態で会社の冷蔵庫に入れられ、翌朝には再びキンキンに冷えた水に戻ります。そしてその水(仮に第一世代の水と呼ぶ)は、翌朝購入して通勤を経た第二世代のキンキンでは無くなった半分に減った水と交換され、私は出社した直後でも、キンキンに冷えた第一世代の水を飲むことが出来ます。
このサイクルを、個人的にカイジサイクル(注1)と呼んでいます。
注釈1「カイジサイクル」
漫画カイジの中で、カイジがキンキンに冷えたビールに心を奪われるシーンがあったため、キンキンに冷えた=カイジの名台詞ということで、私が勝手に名付けました。
第一世代の水は第二世代の水と比べて、鮮度が一日分落ちているため、その一日の間に冷蔵庫の中で菌が増殖して汚いからやめた方が良いという意見もありますが、私はそれほど潔癖症では無いので、そういうことは気にしません。菌よりもキンキンの方を重視します。(座布団一枚)
写真は、マチュピチュ遺跡の灌漑設備
しかしながらこの完璧なまでのカイジサイクルに、問題が生じました!
というのも少し前、社内で引っ越しがあり、我が部門が違うフロアに移動すると、そのフロアの給湯室にある冷蔵庫の運用ルールには、前のフロアの冷蔵庫の運用ルールと異なり、中に入れるモノにはすべて持ち主の名前を書かなければいけないという厳しいルールが制定されていたからです。
社内の一フロアの給湯室の特定の冷蔵庫の中だけの利用規約ではありますが、新参者としては秩序を乱すことなく、そのルールに従う必要があり、最寄駅で買ってきたペットボトルの水に、いちいち名前を書かなければいけなくなりました。
しかしながら、日々、第二世代、第三世代と世代交代していく水に、その都度新規で名前を書き続けるのも無駄な労力と感じ、私は、毎日新しく名前を書かなくても良い画期的な仕組みを考案しました。
それを「カイジ2サイクル」と呼びます。
それでは今から、カイジ2サイクルのカラクリを説明します。
昨日最寄駅で買った飲みかけのペットボトルの水は、昨日のうちに冷蔵庫に入れたため、今日の段階ではキンキンに冷えています。さらに昨日のうちにボトルキャップに名前を記入しておいたので、冷蔵庫の利用規約にも反しません。
そこに、今日最寄駅で買って来た飲みかけの名前無しの、もはやキンキンではなくなった旧キンキンのペットボトルの水を、そのまま昨日買ったキンキンに蘇った水と交換してしまうと、名前無しのペットボトルの水が冷蔵庫に残ってしまうため、交換する際に、ボトルキャップを付け替えるのです。
ここがポイント!
「ボトルキャップを付け替える!」
そうすると、冷蔵庫から取り出したキンキンのペットボトル水のボトルキャップの名前は消え、逆に冷蔵庫に収納されたペットボトル水のボトルキャップの方に名前が残るという、まるでマジックのタネのような入れ替えが行われることになります。
つまり、カイジ2サイクルとは、分かりやすく言うと、名前の書かれたボトルキャップを無限ループのように使い回すサイクルということになります。
まさに、先祖代々秘伝のタレの如し!
(やっとタイトルに辿り着きました)
テレビのグルメ番組で良く見る先祖代々から続くタレを、今もなお継ぎ足して使っている鰻屋を良しとするならば、このボトルキャップリレーも、決して汚い行為とは言えないと思います。
今後、この最初に書いたボトルキャップが、いつまでリレーを続けられるのか?ボトルキャップの寿命について、検証していきたいと思います。どうかお付き合いください。
「そういえば、あのカイジ2サイクルのボトルキャップリレーはまだ続いてるのかな?」
半年後、気になった人は、ぜひ質問してください。その時、驚くべき真実が得られるかもしれません。
動画は、マチュピチュ遺跡の灌漑設備
(スロー再生でお届けします)
てはまた。
きょうの諺(ことわざ)
「菌を嫌う者は、キンキンを得られず」