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草香津に逼塞していた。そこへ兄の宿奈麻呂(すくなまろ)が7年ぶりに訪ねてきて
新都造営を手伝って欲しいという。わずか三年で、唐の長安に並ぶ新都を奈良に作り
遷都しなければならず、失敗すれば大きな責任を問われかねない難事業である。
白村江の戦い以来、冷遇されていた阿倍家再興を誓う兄を救うため、船人は
新都造営事業の助っ人を引き受けることにした。着々と準備が進む中、朝廷では
遷都推進派と反対派の対立が激化し、予定地の立ち退き交渉を巡り死者がでてしまう。
難事業に横槍を入れる黒幕は誰なのか、船人はある疑念を抱く。
また性懲りもなく奈良時代に手を出してしまいました。
というのも、今年の春に人生初の奈良訪問で近鉄奈良線の車窓から
平城宮跡のだだっ広さにいたく感動したからですw
平城京とか平安京、藤原京って、教科書で習った大昔の都の名前です。
遺構や遺跡は写真で見たことがあっても、想像なんて限りがあります。
でも実際に目にすると、やっぱり凄いですよね。
本当にこんなところに国の中心が置かれていたんだという事実を
目の当たりすると想像が膨らみまくります。
物語は、阿倍船人という遣唐使の船長でありながら、ある事件を起こして
朝廷から睨まれている男が主人公です。
草香津という湊で居候しながら落ちぶれております。
そこへ帝の元で働く兄・宿奈麻呂が新都造営事業に手を貸せと言ってきます。
阿倍一族の名誉挽回のためにも、宿奈麻呂は新都造営事業を成功させたいのです。
でも、その期限が3年も無いという無理難題。
パワーショベルやトラックの重機も無い時代に、向こう3年で都をひとつ造れ!て
無謀すぎます。この言い出しっぺは、あの藤原不比等。
帝すら思い通りに動かしてしまうという『比ぶ者なき』きゃつでございますw
あー、やだねー、時の権力者ってヤツは!!
でも、もうこの頃から海の向こうの大陸に脅威を覚えながら、上手く外交を行い
政治問題に悩みながら都を作らなければならない男たち。
権力を握り上からあーだこーだ指図するだけの権力者、実際に現場で
都づくりに奮闘する人々の葛藤とか、まるで現代劇でも十分に通用する話です。
まさに現代と同じとすら思えましたね。
時間が無くて平城京跡は車窓から眺めるに終わりましたが、次に奈良に行ったなら
ぜひ自分の足で平城宮跡を踏みしめてみたい、そんな読後感でございました。
にしても3年は、ないわーw
