銀狼の流れ星〜 The shooting star of silver wolf 〜

銀狼の流れ星〜 The shooting star of silver wolf 〜

主に小説を書きます。たまに日常も書きます

Amebaでブログを始めよう!
第一話2←前話はこちら

第一話密かにそして華やかに3

『ホントニ私ノ話ガ理解出来タンデスカ?』
「そんなわけ…ないだろ?99パー分かってねーよ。」
『ホトンド‼︎』

とある炎天下の昼…一人と一機は放火犯の捜査を始めた。
とは言っても全くゼロの状態からは始められない。放火事件について最も詳しい人物に会うため桜野ヶ丘警察署に向かった。


「この前の放火事件を教えて欲しい?君ね一般の方に捜査情報を教える訳ないでしょ!」
無論門前払いを食らったが、負けじと警官に一歩も引かなかった奏汰だったが、一人の男に止められた。
「奏汰…お前らしくねぇな。何を躍起になってやがんだ。」
奏汰に少し似ている男、明日真だ。
「明日真兄!教えてくれ!放火事件の事!早くしないとヤバい事に…」
奏汰は明日真に口を塞がれ奥へ連れていかれた。


二人はたまたま空いていた取調室に居た。
「お前の事情はよう分からんが、警察の事に首を突っ込むな。」
「今回の犯人は俺でしか特定出来ない…かもしれない。」
「ほぉ…」
明日真は顎髭を指で撫でながら、深く考える。
「もしかしたら、お前は戦力になるかもしれねぇ…わーった!少し教えよう。」
奏汰はあからさまに嬉しそうな顔をした。
「火災現場に出火原因になりそうなものはなかった…だけど、出火元の近くに水が入ってたペットボトルが一本。それだけだった。」
「は?」
明日真が予想していた通りの反応だった。
奏汰は口をあんぐりと開けたまま明日真を凝視した。
「こういう事もあるから捜査情報は漏らしたくなかったのに…」
明日真は悔しそうな表情で項垂れる。
「まぁいいや。俺少し調べるよ。」
奏汰は、ニコッと笑うと
「久々に楽しくなってきた。」
そう言って取調室から飛び出した。一人残った明日真は、
「また、発症しちゃったかぁ…歪んだ正義感…悪くならなきゃいいんだが。」
そう呟くと、胸ポケットにしまっていたタバコに火を付けた。


『犯人ノ目星ハ、ツイテイルンデスカ?』
「いいや、全く。」
『ヤッパデスカー‼︎』
一人と一機が喋りながらやって来たのは、事件現場であった。

現場の家は黒焦げになっており炭と化していた。今だ野次馬は減らず、警官が抑えていた。
「犯人は現場に戻って来る!」
そう言って張り込みをしていると、現場の近くで挙動不審に歩いている白衣の男性がいた。
奏汰は怪しく思い男に近づいた。

「なぁなぁ…あんた!」
白衣の男は急に話しかけられ驚き振り向かず走り去った。
『アノ人超絶怪シイデス!』
「とっ捕まえるか!」
奏汰は男に追いつき、前に立ちはだかり男の勢いを制止させた。
「なんで逃げた!」
「うっ…うるさい!」
白衣の男は500mlの透明な液体の入ったペットボトルを取り出しこちらに投げつけた。
ペットボトルは、奏汰の手前に落ちると、ペットボトル容器がどんどんと膨張し、やがて破裂した。
中の液体が八方に飛び散ると、その液体がかかった箇所が発火していく。もちろん奏汰にも被害はあった。
「ぼっ…僕に関わるなぁ!」
白衣の男は涙ぐんだまま走り去った。
「キャンリー…今のが?」
『確カニアレハ物理ノ力ヲ無視シタ能力…彼ハ、プレイヤーノ可能性ガ高イデスネ。』
奏汰は追おうとしたが、足下に落ちているものに目を向けた。
それは社員証だった。顔写真は白衣の男だ。
「伯道バイオ研究所。研究員、冨樫学か…」
『伯道バイオ研究所ニ行クンデスネ?』
もちろん!と誇らしげに宣言した。

続く