今、FMが新しい。 | 風のストレンジャー

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クリップ今、FMハイバンドが熱い!


関東ではTBSラジオなどの民放のAMラジオ局が、受信状況改善のためにFMバンドでも放送を行うことは気にしていたが、最近確認すると既に試験放送が始まっていた。

桜FM補完中継局・ワイドFM

東京ではTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送がスカイツリーからFMによる放送を開始することで、災害時の補完目的と定義にはあるが、AM放送での受信状況の改善を狙ったものでもあって12月から本放送がスタートの予定。
確かに従来のAMではTBSは強力に受信できるもののその埼玉県・戸田市のとなりの川口市の送信所の文化放送は若干弱く、ニッポン放送については千葉県木更津にあるために我が家でも弱い。そうなるとスイッチング電源の近くなとでは雑音が入ってしまうことになる。

その点FM放送は、スカイツリーに移転したり、従来の東京タワーでもアンテナ設置位置を高所に移設したりするなど、いつの間にかFMラジオの感度がアップした感じがあったのは、こんな電波状況を改善する工夫があったわけで、在京のAM3局がそのFMバンドでするサイマル放送は期待するところだ。

<試験放送>

つい先日10月5日から開始された様子で、現在主に深夜などに試験放送が行われたりしていて常に聴けるわけではなく不定期で、突如電波発射されて数分や数十分で停波する。深夜や昼などに突如出没する。実際に受信したところ非常に強力。

10/21追記:昼間において毎正時から40分間、各局とも電波発射を一斉に行っていることが確認できました。スケジュール化していると思われます。

10/27追記:昼間において10時より一斉に各局とも連続発射中を確認できました。

11/2追記:各局とも終日にわたり連続発射中を確認しています。

11/7追記:TBSラジオで午前11時「たまむすび公開生放送」のサイマル放送が確認できました。ステレオによる赤坂Sacasからのライブ中継は臨場感がありました。

11/8追記:TBSラジオで午前11時「エレ片のコント太郎公開イベント」の生放送が確認できました。サイマルでなくワイドFMのみのライブ中継。
また、15時台には「爆笑問題の日曜サンデー」の公開イベントの部分がサイマルで生放送されました。


11/24追記:各局とも現在停波中を確認しています。

11/25追記:各局とも現在再びの電波発射中を確認しています。

12/7追記:スカイツリーからの3局合同番組において、各放送局社長同席のもとに13:00、AM波とのサイマル放送がスタートしました。

旗「こちらはTBSラジオ墨田放送局です。周波数90.5メガヘルツで東京スカイツリーから試験電波を発射しております。」

旗「こちらは文化放送墨田放送局です。周波数91.6メガヘルツで東京スカイツリーから試験電波の発射中です。」

旗「こちらはニッポン放送墨田放送局です。周波数93メガヘルツで東京スカイツリーからただいま試験電波を発射しております。」

などのアナウンスが、ポップスやジャズ、クラシック音楽の合間に流れる。まだ送信出力のアナウンスはなく、そのうち出力の7kwが加わるかもしれない。番組もまだサイマル放送されていなく、試験放送ならではの新鮮な感覚がある。
ちなみにTBSはテレビでもおなじみのいつも明るいイメージの江藤アナの声だと思う。

デジタル全盛の最中、まさかFM電波という従来のアナログ放送開局とあって、まさに温故知新とはこのことだろう。

<90MHz帯>

TBSが90.5文化放送が91.6ニッポン放送が93.0MHz

これはかつてアナログテレビ放送のNHK総合があった1chぐらいの周波数に相当するので、UHFに移行した地デジの恩恵の賜物といえる。
送信はスカイツリーなので非常に強力に入感する。もちろんステレオ放送。

以前、例えばニッポン放送の900MHz帯での放送中継波といわれるSTLの電波を東京タワー近辺に受信しに行ったことがあった。ニッポン放送の演奏所から東京タワーを経て木更津の送信所まで飛ばされるAM波に変換される前の900MHzの電波はFMだったので良好な音質を期待してワイドバンド受信機で聴いたことがあった。それを思えばFMバンドでの本格的なFM放送のステレオは最高である。

これは独り言だが、アナログTVのVHFバンドはローバンド(1-3ch)(90-108MHz)とハイバンド(4-12ch)(170-222MHz)の周波数が割り当てられていたので、もしこの飛び地のように離れた周波数のローバンドが無かったら、かつての屋根の上の見栄えの悪かったVHF・TVアンテナは、UHFアンテナを一回り大きくしたイメージですっきりしたデザインになっていたのかもと想像した(笑)。

<対応ラジオ>

90MHz帯なので本来のFM放送バンド(76-90MHz)ではカバーしない。

従来のデジタル表示のラジオよりもアナログの針で周波数を合わせるようなタイプの方が実は受信できる可能性が高い。
デジタル表示式はきっちり76.0-90.0MHzと設定されているため、90MHzで90.5のTBSならばAFC回路の働きで受信できる可能性があるが、アナログ方式では上限に若干の余裕があるのでほぼ90.5MHzは確実に受信できる。ラジオによっては91.6の文化放送も可能性がある。

また、従来のアナログTVのVHFローバンドの1-3chまでを含めた76-108MHzタイプの製品は結構手元のラジオも対応しているケースが多いと思う。これなら余裕をもって受信できる。
デジタル式の場合は、カタログなどで確認してから90でなく108MHzまでカバーされているかカタログ等でチェックして、新製品の場合は、ワイドFM対応と謳っているラジオが、今後も長く使えるという基準になるだろう。

 ソニースカイセンサー5900

 TBSの90.5のカバーは当然で、
 ニッポン放送の93は難しいが、
 面白いことに、
 ダイヤルいっぱいのフルスケールで
 AFCスイッチONすれば
 91.6の文化放送が受信可能だった。

<イメージ受信>

FMラジオによっては、スーパーヘテロダイン方式という回路のラジオが多く、いわゆるスーパー方式、スーパーラジオなど呼ばれているが、欠点として、本来の放送がない周波数でも受信してしまう現象が発生することがある。

メモfimg = fc + 2 * fIF

イメージ周波数は、本来の放送局の周波数に、10.7MHzを2倍したものを足した値、になる。

例えば、東京FMの80.0MHzが101.4MHzでも聞けてしまう。
108MHzまでカバーしているラジオでダイヤルチューニング中、この高い周波数域で在京の主要FM局群がバンバン選局されてしまう。

ただし、仮にFMバンドで最も低いJ-WAVEの76.1MHzでも、イメージ周波数は97.5MHzとなるので、
今回の90.5、91.6、93.0MHzの各ワイドFM局と干渉することはない。

これらFM局のイメージが聞こえてきたらそれは周波数が高すぎたことになるので、チューニングダイヤルを戻す目安になると思う。

 パナソニック・RX-FS22

 ラジカセでTBSラジオ90.5受信中

 108MHzまで対応しているが、
 スケールのTVチャンネル領域は
 主要局のイメージ受信も多くなるので
 それ以下にダイヤルを合わせだ方がいい





桜その他FMの動き

他局に関しても動きがあった。

<IBS茨城放送>

8/17開局 94.6MHz

関東で在京の3局よりも早くワイドFMを開局していて既にAMと同じサイマルで、こちら都内でも室内の窓際のロッドアンテナの環境下で受信できた。もちろんAMの方1197KHzとは天と地の差くらいの強度でクリア。

<Inter FM>

こちらはワイドFMではないがそれまでの76.1から89.7MHzへ大きく周波数変更された。76.1は今月いっぱいで停波されるようだ。

あまり最近はFMも聴かないのでニュースは知らなかったが、このワイドFMでダイアルを90M近辺に合わせたところ気が付いた。先に書いたようにイメージ混信によるものかと思ったが、新周波数のInterFMだった。従来の76.1よりもこちらの方が強い。
76.1では受信不良が多く送信パワーを上げると近接するコミュニティーFM局を妨害することになる懸念もあったため変更に至った経緯があるようだ。

気になる隣接する90.5MHzのTBSワイドFM局とは干渉しないこともわかった。すぐ上、隣といった感じでTBSラジオがあるので、まだ試験放送で不定期な電波発射であるTBSのパイロット局として重宝すると思う。

桜熱いFMハイバンド

以上、FMラジオのチューニングダイヤルも右側へ進めることが増えると思う。radikoのパソコンやヘッドホンよりも、FMラジオやラジカセの筐体のスピーカーを振動させた音を聴いた方がラジオという電波メディアの本来のイメージだと思った。

 ナショナル・プロシード2600

 デジタル表示でもアナログVFOなので
 90.5MHzのTBSならば受信可能。

 このように往年のラジオでも
 TBSラジオならばハイファイで聴けるのだ。
 ちなみに2600では91.1MHzが限界。

ラジオを選ぶ場合、ワイドFMがカバーできているかどうか選択の判断のひとつの目安にしてもいいかもしれない。

この先AM放送自体なくなることはないと思う。わずか15KHzの占有周波数帯域幅しかなく電波的にも省エネで、比較してFMは200KHzなので、もしもたった1000KHz程度の幅しかないAMの中波バンドにFM局を開局したとすると、同一地域ではせいぜい2、3局程度しか設置できないことになる(笑)
また、受信機も安価で簡単な回路で済むので、極端な話、アンテナ、コイル、バリコン、ダイオード、イヤホン、この組み合わせだけでとりあえず感度や音質はともあれAM放送は受信できる。

AM変調独特のまあるい音質も味だし、受信障害の一因となる夜間の電波伝搬の性質で、中波バンドは近隣の国の言葉なども入感してにぎやかなことも、時代が変わっても続いて欲しいと思う。

FMも最近はめっきり聴かなくなってしまっていたが、関心がそちらに向くようないい契機になるかもしれない。その昔の、ニッポン放送での「日立ミュージック・イン・ハイフォニック」みたいなFMチックな番組が増えればいいな。

在京3局のワイドFM本放送スタートは12月ということだ。