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サランの受験勉強応援ブログ

東大文学部→空白の2年→とうとう社会人
受験勉強を応援する記事を書いていきます

はいどうもサランです(・ω・)ノ

 

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【ステージ2】

 このステージ2で読解法の学習はひとまず終了です。ここまでの参考書は読み方を再現できるように取り組みましょう。

 ステージ2では〈客観的に要点を把握する読解法〉を学びます。

 〈客観的に要点を把握する読解法〉とは、特定の表現から読解における重要な箇所を客観的に把握しようという読解法です。読み手が主観的に「ここが大事な気がする」と判断をして重要箇所に線を引くのではなく、「ここにこういう表現・記述があるから、ここは大事であると筆者が考えている」と客観的な根拠をもとに重要箇所を定めていく読み方になります。

 また、〈客観的に要点を把握する読解法〉の習得と並行して、ステージ1で理解した〈文と文の関係を把握する読解法〉をより細かく実行していく力を養うことも想定しています。

 

【ステージ2】オススメ参考書・問題集

『現代文読解の基礎講義』

『論理トレーニング101題』(第3章2節まで)

『高校現代文をひとつひとつわかりやすく。』(サブ)

『究める現代文』※絶版

(『ディスコースマーカー英文読解』)

(『英文精読へのアプローチ ミクロとマクロの視点から』)

 

 

 ステージ2でオススメなのは『現代文読解の基礎講義』と『論理トレーニング101題』です。

 

 〈文と文の関係を把握する読解法〉の方は広く採用されていて、多くの参考書・問題集で意識的に学ぶことができるのですが、〈客観的に要点を把握する読解法〉はほぼ『現代文読解の基礎講義』でしか学べません。

 『読解の基礎講義』の読解法はどのような表現に着目し、どのような作業をすればいいのかを明示したものになっています。ある表現がどのような重要な要素を示し、示された要素に対してどのように線引きしながら読むか、これが客観性を保って速読する方法として提示されています。また、評論だけでなく、小説、随想に関しても同様に客観的速読法を提示しています。

 読解法だけでなくいかに論理的に解答を作り上げるか(選ぶか)も学べます。内容説明問題・理由説明問題・要旨要約問題・心情説明問題・表現説明型問題について、いかに解答することが論理的なのか具体的な方法を提示しています。

 読解法でも解法でも、先に方法を提示し、例題を通してその実践をしていくという構成です。何を使えばいいかを先に概観し、それを実際に使うとどうなるか学習者に手を動かしてもらった上で解説する。構成・パッケージングに関して神のような参考書です。(学力にもよりますが、本当に1冊だけしか参考書をやらないという方にはこれを薦めたいくらい)

 解法を解説通りに再現するのは難しいかもしれませんが、読解法だけでも解説と同じマーキングができるようになりましょう。解説に示されたマーキングは洗練されたものなので、最初のうちは真似できなくても仕方ありません。はっきりとマーキングできるものだけマーキングすればいいと書いてありますし、マークした箇所が解説より少なくてもよいでしょう。逆に、機械的に全部マークして、解説よりマークが多くてもよいと思います。いずれできるようになればいいだけです。

 中野先生の読解法と解法は先生自身のHPでも公開されています。ぜひご覧ください。

 → http://nakanogendaibun.com/gendaibun/ 

 

 

 『論理トレーニング101題』は入試でもよく出る野矢先生の著書です。受験参考書ではないため入試問題的な設問への意識というものはなく、論理的に読むことに重点が置かれています。最終的に自分で論理的な文章を書けるようになることが目指されている本ですが、ここでは前半の論理的に読む力をつけることを目標にした箇所を取り上げます。

 第1章では接続表現(俗に言う接続語)の挿入問題を通して、文と文の関係についてより細かく見る力を養えます。

 第2章では接続を明らかにした上で「議論ユニット」という概念を導入します。議論ユニットとは、主張とその解説または根拠をひとまとまりとして読む議論の単位のことです。話のかたまりを掴むという読解における実践的な力になります。

 第3章では論証に話題を絞ります。ここで導入される「論証図」を学んでほしいがためにステージ2に『論トレ101』を入れてあります。

 論証図とは「根拠→結論」という関係を図式化したものです。

 

 ・単純論証…単純に根拠Aから結論Bが導かれる。(A→B)

 ・論証の連鎖…AからBが導かれ、さらにBを根拠とし結論Cが導かれる。(A→B→C)

 ・結合論証…AとBが一つの根拠となり結論Cが導かれる。(A+B→C)

 ・合流論証…AとBがそれぞれ独立して根拠となり結論Cが導かれる。(A→C)+(B→C)

 

これら論証図を頭に浮かべる、もしくはメモとして描いてそれを意識すると、理由説明問題がかなり解きやすくなると思います。僕が理由説明問題を解く際にも論証図を利用しています。特に結合論証の意識が有用です。何と何が揃えば結論が導出されるか、根拠として何が必要かということを意識できます。

 論証図が導入される第3章2節まで読めば入試現代文という文脈では十分でしょう。

 『論理トレーニング』という参考書テイストの本もあるのですが、高校生が入試現代文で生きる力を付けるには『論トレ101』の方がいいと思います。

 

 ステージ2において上記2冊を差し置いて他に薦めたい参考書は特にありません。

 

 僕が『論トレ101』をルートに入れたのは主に「論証図」を学んでもらうためなので、論証図のところだけ確認して、それを使う練習をし、〈文と文の関係を把握する読解法〉をより細かく実行していく力を養うという目標を別の参考書で達成するという手段もありでしょう。

 ステージ1で紹介した『ひとつひとつ』は、文と文の関係についてより細かく分析しています。この参考書を使い〈文と文の関係を把握する読解法〉を細かく使えるようにしていくのもよいと思います。

 

 『読解の基礎講義』と類似した読解法を採用している参考書として他に『究める現代文』があります。『読解の基礎講義』よりも書き込みが多くてしかも丁寧なんですが、残念ながら絶版となっています。解法の提示に関して『読解の基礎講義』の方が丁寧なので、持っていなくても無問題です。

 英語でも同様の読解法を提示した参考書があります。『ディスコースマーカー英文読解』『英文精読へのアプローチ ミクロとマクロの視点から』がそれです。どちらもディスコースマーカーに着目し、文章の要点や展開を明らかにしています。

 

 

【ステージ2】オススメ参考書

『現代文読解の基礎講義』

『論理トレーニング101題』(第3章2節まで)

『高校現代文をひとつひとつわかりやすく』

『究める現代文』※絶版

(『ディスコースマーカー英文読解』)

(『英文精読へのアプローチ ミクロとマクロの視点から』)

 

 

 ステージ2までで読解法は一通り勉強し終えたことになります。ここまでの参考書を終えたら、読解法を本番使えるようにしていくだけです。ステージ3やステージ4や問題集・模試・過去問での演習の際に、学んだ読解法を適用する訓練を積みましょう。

 

 ステージ2まで終えて、具体的な方法を手にして読むことができるようになると、自然と設問も解きやすくなってくると思います。設問の関連箇所がどこか、漠然と解答の要素はどのようなものか、少なくともそのくらいはわかってくる方も少なくないことでしょう。

 ステージ2終了時点で学校指定の問題集や模試等で手応えを感じている方は、ステージ3に行かず思い切ってルートを終えて、問題集や過去問による演習に入るというのもありかもしれません。

 ステージ3では解法を扱うのですが、『読解の基礎講義』で提示された解法で十分だと感じた場合も、ステージ2でルートを終えて演習にしてもいいかもしれません。お任せします。

 ステージ3には行く気なんだけど、その前に実際の入試問題を使って自分の力量を確かめたい、という方もいるでしょう。極端な話、腕試しなら『全国大学入試問題正解』からランダムに選んで問題を解いてもいいんですが、さすがに解説が詳しい問題集の方がいいでしょう。ステージ1の記事でも挙げましたが、国公立・私立、評論・小説・随筆がバランスよく入っているという点で『体系現代文』をお薦めしておきます。読解法・解法の提示もありますが、ステージ2までに習ったものと大きく喧嘩することは無いと思います。

はいどうもサランです(・ω・)ノ

 

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【ステージ1】

 ステージ1は〈文と文の関係を把握する読解法〉を学ぶステージとしています。

 僕は〈文と文の関係を把握する読解法〉と〈客観的な表現から要点を把握する読解法〉を、初見の文章で実現する読解法(作業)と考えています。理屈の上ではどちらから始めてもいいんですが、それぞれの読解法を学ぶに相応しい参考書のレベルを考えると、〈文と文の関係を把握する読解法〉が先かなと思っています。

 

【ステージ1】オススメ参考書・問題集

『現代文読解力の開発講座』

『池上の短文からはじめる現代文読解』

『現代文読解基礎ドリル』(ステージ0から続ける場合『短文から』と交代、もしくは3冊目)

『高校現代文をひとつひとつわかりやすく。』(『短文から』と交代、もしくは3冊目)

『基礎からのジャンプアップノート現代文読解・書き込みドリル』 (『読解力の開発講座』がどうしても無理な場合)

 

 ステージ1で使ってほしい参考書は2冊あります。『現代文読解力の開発講座』と『池上の短文からはじめる現代文読解』です。

 〈文と文の関係を把握する読解法〉とは何か。そのままです。文と文の間にどのような関係があるのか、部分と部分の関係はどうか、段落と段落の関係はどうか、その関係性に着目して文章を読み解いていこうという読解法です。関係性を以下のように記号的に類型化して読解のための道具としているのが一般的です。

 

・イコール(同値)

・対比(対立)

・因果

・論と例(まとめと具体例や体験談)

・類比(類似)

・並列(列挙、追加)

 

 イコール・対比・因果・論と例の4つが主な関係として導入されているのが普通です。類比・並列が入れば、参考書や問題集で見られる文と文の関係のほぼすべてになると思います。この関係性を追う読解法が分かれば、ただ本文をべたっと解説しているだけに見える模試の本文解説も少しは有機的なものに見えるようになると思います。

 僕が初見の文章で実践する読解法としての〈文と文の関係を把握する読解法〉は、上記の関係を常に探しつつ読むことです。文と文の関係を意識して、今読んでいるところが今まで読んだどの箇所とどの関係にあるか、常に意識し続けることが重要です。特に同内容の言い換え表現は常に意識に置いておいてほしいものです。

 

 

 〈文と文の関係を把握する読解法〉を学ぶのに最適な参考書は『現代文読解力の開発講座』です。

 『読解力の開発講座』は同値・対立・因果・論と例の4つを特に意識して文章を読み解いていきます。同じ読解法を用いる参考書に比べ、圧倒的にオススメの1冊です!

 まず、学習者目線で前から一緒に読んでいく解説になっている点がオススメです。

 「本文のここはこういう意味だ」という上から、俯瞰的に、べたっと解説するのではなく、読みながら何に着目し、気づいたときどう反応・作業するかが実践的にわかります。とにかくこの解説を味わってください。この解説を読みながら本文に書き込みをおこなってください。頭の動かし方を書き込みに落とし込めるようになれれば、初見の文章でも適用することができます。

 

 また、『読解力の開発講座』は、読んだ後に形式段落を意味段落へとまとめ、文章全体を単位としてテーマ・結論・論拠を明らかにします。他の参考書・問題集では、事前に意味段落やある程度のかたまりに区切ってしまった状態で本文を解説したり、テーマ・結論・論拠を明示するという全体への視点が欠けていたりします。

 なぜそこからそこまでを意味のかたまりとして読んでいいのか、文章全体でのテーマ・結論・論拠は何か、それらを前から読んでいくという学習者の視点を忘れずに、ミクロから積み上げて丁寧に示しています。これが〈文と文の関係を把握する読解法〉を学べる他の参考書にはない特徴です。

 

 一方、これは残念な点なんですが、『読解力の開発講座』には本文への関係の書き込みがありません。解説を読みながら、自分で書き込みを作り上げてほしいのですが、それには参考になる書き込みがほしいところです。

 そこで見てほしいのは『現代文基礎問題精講』の基礎編についている読解ガイドです。文と文の関係に絞った書き込みがされており、『読解力の開発講座』で書き込みを実現する際に真似できます。

 『読解力の開発講座』は解説通りの読み方を、できれば書き込みしながら、再現できるようになるまで復習してください。

 

 要約もありますが1周目では読むだけにしましょう。2周目で余裕が出てきた方は挑戦しましょう。他の方はあとで時間的に余裕があるときに戻ってきて作ってみるという程度でよいでしょう。要約を作ってみることは確かに大きな力へとつながりますが、膨大に時間を喰うようであれば、この段階では読む程度で構いません。

 設問の正解・不正解はここでも基本的には気にしなくて良いでしょう。とにかく読み方・読むときの頭の動かし方のトレースをしてください。

 

 

 ステージ1でオススメのもう1冊は『池上の短文からはじめる現代文読解』です。

 『短文から』は、僕が薦める他の参考書と接続がいい。とにかく相性がいいんです。

 まず、『ゼロから読み解く』と読解法やレイアウトを似せつつ、学習項目を増やしており、ステップアップとして無理がありません。

 また、設問への意識を明示して項目を扱っているため、解法まで扱う、ステージ2のメイン参考書である『現代文読解の基礎講義』へとスムーズに移行できます。

 そして、以上のメリットを確保しつつ、『読解力の開発講座』と喧嘩しません。共存可能です。(論と例の扱いだけやや違うかな。大きく混乱することはないと思うけど)

 僕のルートではまさにこの位置に収まるべくして収まっています。めちゃくちゃありがたい参考書です。

 具体的には第1章~第4章で論と例・対比・並立を扱っており、第5章~第9章で類似・指示語・限定条件・因果関係・逆説を扱っています。前半で『ゼロから読み解く』で学んだ読解法を解法においても利用するという、復習しつつの発展が可能で、後半では設問を解くことをより強く意識できます。

 

 

 ステージ1は『読解力の開発講座』と『短文から』で鉄板だと思っているので、同レベルで上記2冊以上にお薦めしたい参考書があるわけではないのですが、ステージ1として効果的だと思う参考書はあるので紹介していきます。

 『現代文読解基礎ドリル』は、ステージ0の記事で書いたように、ステージ0として使ってみたけど量が多いと感じた方がステージ1まで食い込ませて使うことを想定しています。入れ替えるなら『短文から』と入れ替えかなと思っています。入れ替えずにステージ1で3冊できるならそれでいきましょう。

 

 『高校現代文をひとつひとつわかりやすく。』は、評論の読解法として〈文と文の関係を把握する読解法〉を採用しつつ、小説の読解法、さらには設問形式別解法も載っています。また、古文のことも考えて現代日本語文法に関しても扱っている珍しい参考書です。

 本文を解説する中で各項目を解説するのではなく、各項目を紹介してそれに合わせて短文と設問にあたる構成です。

 〈文と文の関係を把握する読解法〉に関してはイコール・対比・因果を扱い、各項目を実行するにあたっての作業を、他の参考書より詳細に提示しています。特に対比関係で整理すべきことの要求がかなり細かいので、難易度的にはステージ0からでもよかったのですが、ステージ1の参考書として紹介します。

 『読解力の開発講座』で〈文と文の関係を把握する読解法〉の大枠を身につけたあと、『ひとつひとつ』で各作業をより細かく認識するという使い方がよいかと思います。『ひとつひとつ』には文章全体をまとめあげる作業が無いので『読解力の開発講座』と代替させるわけにもいきませんし、これも入れるなら『短文から』と交代かなと思います。入れ替えずにステージ1で3冊できるなら、こちらもそれでいきましょう。

 

 『基礎からのジャンプアップノート現代文読解書き込みドリル』もイコール・対比・因果を軸にした読解法を扱っていますが、前から読みながら読解法を適用していく、読み方を染み込ませてくれるような解説ではありません。

 読解法を提示する地固め編で、語と語のつながりからイコール・対比・因果まで導入してはいます。しかし、特に実践編において解説の重点が設問解説に置かれており、ここで身につけたい読み方を身につけるには『読解力の開発講座』の方がよいと思います。

 『現代文読解書き込みドリル』は、『短文から』の代わりというイメージではないですし、『読解力の開発講座』がどうしても無理な方のための参考書かな…。こちらが気に入ったら、全レベルシリーズで現代文学習を進めていきましょう。

 

 〈文と文の関係を把握する読解法〉と言うと出口シリーズを思い浮かべる方もいると思います。何か薦めるなら『論理でわかる現代文基礎編』を選びます。実況中継やシステム現代文にはない、関係や要点の書き込みがあるので。関係や要点の書き込みがあるぶん、他の出口シリーズよりはとっつきやすいかなと思います。難易度的にはステージ0でもよいくらいでしょう。出口式が気に入ったという方は、そのあと実況中継やシステム現代文へどうぞ。

 

 

【ステージ1】オススメ参考書・問題集

『現代文読解力の開発講座』

『池上の短文からはじめる現代文読解』

『現代文読解基礎ドリル』(ステージ0から続ける場合『短文から』と交代、もしくは3冊目)

『高校現代文をひとつひとつわかりやすく。』(『短文から』と交代、もしくは3冊目)

『基礎からのジャンプアップノート現代文読解・書き込みドリル』 (『読解力の開発講座』がどうしても無理な場合)

 

 

 ステージ1でも追加の問題集は必要ないのかなと思います。

 『読解力の開発講座』と『短文から』を2,3周するとなると結構時間かかりますし、『読解力の開発講座』と『短文から』で学んだことを初見の問題で再現したいのであれば、学校配布の問題集でもいいはずです。解説にクセのない問題集の方が、参考書の方法論が再現できたかどうか確認しやすいですしね。

 個人的にはステージ2の『読解の基礎講義』もやってほしいんですが、ステージ1までやったらあとは問題集→過去問という戦略もあると思います。志望校や元々の力量によっては、ステージ1を終えた時点で入試問題に取り組む力がついていてもおかしくないでしょう。

 また、ステージ1から始めた方はステージ0が無いぶん比較的時間に余裕があるでしょうし、そういう方もステージ1の次は問題集というやり方でもいいと思います。

 

・ステージ1後に問題集中心の勉強に移るという方

・ステージ2に入る前に問題集を1冊腕試しとして挟んでみたい方

・ステージ2に入る前に問題集を1冊挟む余裕があるという方

 

以上の方々は、国公立・私立の問題が半々でバランスよく入っている『体系現代文』などの総合問題集をやってみましょう。受験本番まで時間があるうちは選択式・記述式関係なく取り組むのがよいと思います。

 『入試現代文へのアクセス』も選択式・記述式が大問1つに混在しているんですが、どうやら実際の入試問題ではなくオリジナル問題のようなので、その分だけオススメ度は下がるかな…。高2で『体系現代文』は難しいかもしれないので、難しすぎるという方は『アクセス基本編・発展編』にするのがいいと思います。『体系現代文』が難しいという場合は『アクセス完成編』『入試精選問題集』はもっと難しく感じるかなあ…。

はいどうもサランです(・ω・)

 今回から各ステージの概要と参考書を紹介していきます!

 

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【ステージ0】

 僕のルートだとステージ1とステージ2を固めれば読解法は一応完成ということになります。わざとそうしているというか、現代文に割く時間や1講の重さを考えると毎日大問1個ずつとはいかないので、何冊かに絞ると2ステージかなという。(私大受験生はもっと勉強できるね)

 先に、ステージ0は〈文と文関係を把握する読解法〉と〈客観的要点を把握する読解法〉を学ぶための準備段階と書きましたが、実質〈文と文の関係を把握する読解法〉の学習です。ほとんどの参考書・問題集で見られる頭の使い方が文と文の関係に着目したものなのでそうなっちゃうってことなんですけどね。

 ステージ1から始めて困らないもいると思います。自分の実力と相談しつつ、ステージ1から始めて厳しいと感じたらステージ0から再スタートするという勉強法でもいいと思います。

 

【ステージ0】オススメ参考書・問題集

『ゼロから読み解く最強の現代文』

『現代文の解法読める!解ける!ルール36』(この後に『ゼロから読み解く』もアリ

『現代文読解基礎ドリル』

 

 

 ステージ0で学ぶ参考書としてオススメするのは『船口のゼロから読み解く最強の現代文』です。

 ところで、〈文と文の関係を把握する読解法〉把握する関係は主に

・イコール(同値)

・対比(対立)

・因果

・論と例(まとめと具体例)

の4つです。だいたいどの参考書・どの先生の授業でもどれかに少しは触れると思います。

 ここに

・類比(類似)

・並列(列挙)

を加えれば、文と文の関係を把握する読解法を使う参考書で出てくる関係性は一通り揃いそうです。指示語・接続語も当然出てくるけどそれは関係性を探す道具ということで。

 

 さて、オススメしている『ゼロから読み解く』ですが、上記の関係から

・対比

・論と例

・並列

の3つに絞って導入しています。『ゼロから読み解く』のオススメポイントはまさにここで、この参考書は初学者向けに使う概念を絞った1冊となっています

 そしてもう1つのオススメポイントは、文と文の関係をまず読む方法として紹介していることです。文と文の関係は解く方法として導入されることも少なくないのですが、現代文はあくまで本文を読めてから解けるようになるものという信念を個人的に持っているので、学習の入り口は読む力をつけることであってほしいのです。僕の考えに適合して、ステージ1以降との接続も良い参考書が『ゼロから読み解く』になります。

 解説は書き込みを加えつつ、本文の構造を簡潔に図示していく構成です。個人的には書き込み(特にイコール関係の書き込み)がもっと欲しいところなのですが、最初の1冊としてはこのくらいの書き込みがちょうどいいのかなとも思います。

 この時点では、設問の正解・不正解は気にせず、本文の読み方を解説通りに実行できるかどうかを気にして復習しましょう。特に記述式問題の出来・不出来は無視でもいいと思います。ステージ0ですしね。

 

 ステージ0の参考書としてお薦めするものとして、他には

『現代文の解法読める!解ける!ルール36』

『現代文読解基礎ドリル』

が挙げられます。それぞれ初学者を意識した上で〈文と文の関係を把握する読解法〉を学べます。

 

 『ルール36』は「解法」とありますが、読解法を全体的に知るハンドブックという表現の方が実態に近いでしょう。読み方について、これから学んでいく道具を一通り概観できます。負担も少ないため、現代文アレルギーがある方の最初の1冊として有効でしょう。

 各項目についている短文や末尾のトレーニング問題で実際の方法をどう使うのか体験できます。ただし、本番レベルの長さや負担を伴う問題はありません。最初の1冊として読んだあとは『ゼロから読み解く』に進むという選択肢もありです。

 

 『読解基礎ドリル』はその名の通りドリル形式であり、一つの項目について、短文とその項目に対応する設問を各回で扱っています。問題を解くことで道具の有用性を実感し、身につけていくものになります。問題演習を通して方法をしみこませていく方針です。

 『ゼロから読み解く』同様に読解のための道具を絞っており、全体の半分以上の章を対比・論と例に費やしています。一方で『ゼロから読み解く』とは違い、小説の読解法まで扱っています。

 ただ、立ち読みすれば分かるのですが、読解の過程を詳しく示していく解説ではありません。前から読んでいく解説によって、自分が読むときにプロの真似をすることで読解力を身につけたいという方には向かないでしょう。という注意点もありつつ、ここでは、読解における最低限の道具として論と例・対比を身につけるという目的で、ステージ0の問題集として紹介しています。

 また、ステージ0で『読解基礎ドリル』を選んだけど問題数が多くてつらいなと感じたは、ステージ1で『短文から』の代わりとして引き続き使用するとよいと思います。章立ては14章ですが、問題数は全部で61問と多く、1回に1章ずつ進められないという方もいると思います。そういう方はステージ1まで持ち越してもいいでしょう。

 論と例・対比をメインで扱っており、また、読解法と密接に結びついた設問を置いているので、『ゼロから読み解く』の後の訓練として使ってからステージ1に進むという使い方も考えられます。ただ、『短文からはじめる』もあることですし、さっさとステージ1に行っていいのかなと思います。これは現代文に使える時間や得意・不得意によりますね。

 

 現代文の最初の1冊として超有名な参考書に『田村のやさしく語る現代文』があります。改訂されて、旧版に比べてちょっと難しくなっちゃったかなと思いますが、パート1の「入試における現代文がどういう科目であるか」の解説は、現代文が苦手で苦手でどうしようもな方には非常に効果的な内容です。

 「入試における現代文がこういう科目であるか」の解説で言えば、『ゼロから覚醒はじめよう入試現代文』もパート1でおこなっています。

 『やさしく語る』は問題がやや難しめになっている点、『ゼロから覚醒』は問題演習のパートで読みの解説が図式で済まされ過程が見えない点で、『ゼロから読み解く』の前段階として必須の参考書にはしませんが、どちらもパート1を読む意味はあると思います。

 現代文がどうしようもないくらい苦手な方は、パート1だけでも読んでみるとよいでしょう。

 

【ステージ0】オススメ参考書・問題集

『ゼロから読み解く最強の現代文』

『現代文の解法読める!解ける!ルール36』

『現代文読解基礎ドリル』

 

 

 ステージ0で参考書と別に演習用の問題集をおこなう必要は無いと考えています。選んだ参考書の解説通りに本文を読めるようになることを追求してください。まずはその参考書で扱っている文章で解説通りに読めるまで粘りましょう。

 演習量を気にするにしても、学校配布の問題集があるでしょうからそれくらいにすればいいと思います。その問題集も、設問が解けたかどうかなど気にせず、学んだ読解法が実現できたかどうかを試す場所として使うといいでしょう。