『つめたいよるに』
今回から、好きなものと題して私のお気に入りをピックアップしていきます。
第一回目は江國香織の短編集『つめたいよるに』です。
この短編集、江國作品の中でも私の一番のお気に入りなのです。
・・・っと追記(書いてるうちに眠ってしまった)
この短編集には九つの作品が収められているのだけれど、この小説ってば一作目から私の心を虜にしてしまった・・・。
一作目の『デューク』
動物を飼った事のある方なら、一度は経験しているであろう事。ペットとの別れ。
私には既に片手で数えきれない位の経験があって、その事をつい思い出してしまう話なのだけれど、不思議と、読後に心がほっとあたたかくなるのがこのお話の力なのかなと思う。
そして九作目の『晴れた空の下で』
こんな風に、年を重ねられたら・・・
そう思ってしまう作品。ひとりの人をここまで想える事の幸せさ。それ故の別離の哀しさ。
そういうものを、微笑ましい老夫婦を通して感じさせてくれるとても素敵な作品です。