ベン・ホーガンのモダンゴルフを改めて読んだ。
旧版は、もう20年くらい前に買って読んだ。
繰り返し、ときおり読み返していたが、7、8年くらい前から見当たらなかった。
サイズも小さくなって、訳も新しくなったようなので、
改めて買ってみた。
「モダン・ゴルフ」って日本のタイトルで、
アメリカでは、「Five Lessons」というタイトルだったこともはじめて知った。
おそらく、ゴルフのレッスン本を書く人は、
ほぼ全員、この本を意識しながら書いているはずだ。
この本に書いていないことを書く。
あるいは、この本とは差別化した表現で書く。
そんなことを考えているだろう。
レッスン1 グリップ
レッスン2 スタンスとアドレスの姿勢
レッスン3 スイングの前半
レッスン4 スイングの後半
レッスン5 まとめと復習
5つのレッスンのうちの1つに、グリップだけに裂いていることが素晴らしいと
思う。
ゴルフスイングにおいて、グリップはとても重要だ。
しかし、多くのレッスン書ででは、グリップについては
ほとんど触れていないか、数ページに画像を中心に簡単に説明しているだけだ。
グリップが間違えていたら、テークバックでコックや肘や足などの動きを教えても、
うまくできっこない。
当然、ダウンも正しくできないし、インパクトはひどいことになる。
ゴルフ練習場に行くと、実にさまざまな自己流の個性的なスイングを
見ることができるが、個性的なスイングの持ち主は概して個性的なグリップを
している。
上級者で綺麗なスイングをする人は、かならず綺麗なグリップをしている。
プロでも個性的なスイングの持ち主はグリップも個性的なことが多い。
レッスンプロの中には、
「グリップはその人が握りやすい形でよい」
などと指導する人をたまに見かけるが、
そんなレッスンは信用しないほうがいい。
ゴルフのグリップは、少なくとも初心者にとっては、不自然きわまりない。
これをはじめから無意識にできるひとなどまずいないだろう。
ベン・ホーガンもこの本の中で、グリップだけを毎日30分、1週間練習することが
その後にとっていかに有益かを説明している。
確かに、プロでも多少グリップに差異はある。
しかし、親指と人差し指の間がゆるんでしまっていたり、フック過ぎるグリップで
一流のプロはいない。(ゴルフ練習場にいるレッスンプロにはひどいグリップの人も
いるが)
繰り返しになるが、間違ったグリップで正しいスイングができるはずがないのだ。
間違ったグリップは、間違った手足の使い方につながり、不必要な力を必要とする。
グリップを間違って覚えやすいのは、レッスン書の写真を、自分の視点から見ようとするからだ。
右手の親指と人差し指の間のV字が右肩を指すようにと言われるが、
これを上から見る自分の目線だと、右を向き過ぎやすい。フックグリップというより超ドフックグリップが
多いのはこのためだ。ただでさえ、初心者はフックに持ちやすいのだが、これでさらに固定化されてしまう。
また、そのV字を確認するために、クラブを持ち上げて腕とクラブの角度を付けすぎて、
結果ハンドダウンになりやすい。
だから、グリップのチェックには鏡を使うと良い・・・と思う。
ところで、改めて読み直して、
さすが名著、なんども読み返しているはずだが、
あらたに、2つの点を最近のチェックポイントに加えた。
一つ目は、アドレス時の両肘の向き。
もちろん、いままでも、肘を腰骨にむける意識は重視していた。
しかし、ホーガンは、
「・・・この右ヒジはバックスイングで体の脇から大きく離してはならない・・・バックスイングの前半で
右ヒジはほとんど動いてはいけない・・・」
と説く。
いままでは、右ヒジを浮かせないために、脇をしめるような意識だったが、
テークバックにおいて、右ヒジを腰骨に向けた状態を維持する意識にすることで
より自然にスクエアなテークバックができるようになった。
また、肩関節をずらすようにボディと腕との一体化を損なう悪癖も出にくくなった。
2つ目の点は、長くなったので次回にしようと思う。