1.「貧乏脳」は成功者に嫉妬する。「金持ち脳」は成功者を尊敬する。

貧乏になるひとは、成功者やお金持ちがズルや悪さをして富を得たり、生まれつきお金持ちなのだと勘違いします。なので成功したひとを尊敬しません。しかしお金持ちは、成功者が努力し勉強しさまざまな経験を通して富を得たことを知っているため、尊敬し彼らから学ぼうとします。


2.「金持ち脳」は偏見が少ない。「貧乏脳」は何でも決めつける。

金持ちになるひとは、人間や物事に対する偏見が少なく、フラットな考えで接しようと考えます。貧乏になるひとは、偏見が多く自分の体験よりも他からのイメージやウワサなどに惑わされ、物事の真の姿やその本質に気づくことができません。


3.「金持ち脳」は積極的に挑戦する。「貧乏脳」は受身で動かない。

貧乏になるひとはチャンスや良いアイデアがあっても「自分には無理だ・・・」と、何かと理由をつけて自発的に動こうとはしません。金持ちになるひとは好奇心旺盛で「まずは何でもやってみよう!」と考え、積極的にさまざまなことにチャレンジします。失敗してもそこから経験という財産が得られるからです。


4.「金持ち脳」は誰もが成功できると考える。「貧乏脳」は成功者が特別だと考える。

貧乏になるひとは「特別なひとしか成功できない」「一部の限られたひとしか金持ちになれない」と勘違いします。金持ちになるひとは「誰でも金持ちになれるチャンスがある」と考えます。何もしなければ何も手に入れることは出来ません。金持ちになるひとは特別なひとなのではなく、何かを実行したひとなのです。


5.「金持ち脳」は自分の意見を持っている。「貧乏脳」は他人の意見に流される。

お金持ちになるひとは、柔軟に他人の意見を取り入れつつも、常に自分の意見・意思を持って判断します。普段からいろいろな経験を積み、判断材料をたくさん持っているからです。貧乏になるひとは、他人の意見に流されやすく、経験・勉強が不足しているため正しい判断もできません。


6.「金持ち脳」は知らないことを素直に質問する。「貧乏脳」は分からないままにする。

金持ちになるひとは、他の誰に対しても自分の知らないことを素直に質問し、吸収することができます。貧乏になるひとは、知らないことを恥じ、結局分からないままにしてしまいます。結果なにも成長しません。


7.「貧乏脳」は時間でお金を稼ぐ。「金持ち脳」はアイデアで富を得る。

貧乏になるひとは、お金は時間を犠牲にすることで得られると考えます。しかし時間は限られているので得られるお金にも限界があります。お金持ちになるひとは興味・関心とアイデアで大きな富を得ます。投資した時間の何倍ものリターンがあるように、お金を生み出す“仕組み”を作るのです。


8.「金持ち脳」は与える。「貧乏脳」は貰うことばかり考える。

金持ちになる人は、他人に与えることで回りまわって最終的に大きな富を得ます。しかし貧乏になるひとは、与えることより自分の利益のことばかりを考え、自分が得することにしか興味がありません。


9.「貧乏脳」は金持ちが利益を独占すると考える。「金持ち脳」はみんなで利益を得ようと考える。

貧乏になるひとは「一部の成功者が利益を独占する」と考え、「だから自分たちは貧乏のままなのだ」と考えます。しかし多くの成功者は自分の成功がたくさんの人たちの協力で成り立っていることを知り、得られた利益を協力者に還元しようと考えます。


10.「貧乏脳」は嫌なことを先延ばしにする。「金持ち脳」はすぐに実行する。

貧乏になるひとは、嫌なこと・面倒くさいことを常に先延ばしにしてしまいます。金持ちになるひとは嫌なことほど先にやります。また嫌なことを楽しめるように工夫をします。

 


伊牟田 均(城山観光社長)
これまでのビジネス人生の中で
たくさんの人を見てきて感じるのは
伸びる人と途中で止まってしまう人の差です

伸びる人というのはエネルギーの強い人
つまり生きる力の強い人ですが
そういう人の共通点はこれでいいと思わずに
常に勉強しているということです

よい本やよい雑誌、よい人と巡り合って
それをいかにして自分に取り込むか
応用していくか

これができる人が伸びていくし
もっと言えば継続が大事だと思うんです

やっぱりずっとやり続けないと
本当の力は出てきません

木浦信敏(なだ万社長)
同感です
それと、やっぱり伸びるためには
高い目標を持って
それに向かっていくことが
一番大切かなと思います

振り返ってみると
私が一介の料理人から総料理長にまで伸びることができたのは、18歳の時に
「一流の料理人になる」
「十人を使える部隊の頭に立つ」
と目標を持って
一所懸命打ち込んでいったこと

それによって
名古屋のオープンを乗り切れたこと
それがなければ今日はなかったと思います

若い頃は、私なんかより非常に優秀で
腕のいい料理人がいっぱいいましたけど
その中でダメになってしまった人は
過去の成功体験にすがっていたり
古いことにこだわって仕事をしている人です

時代の先を進み過ぎてもダメですが
少し先を見据えてきちんとした目標を持って
進んでいく人が伸びていくと思います

伊牟田
情熱や挑戦心を燃やして
目標に向かって突き進んでいくためには
まず健康でなければなりませんね

心身ともに健康な状態じゃないと
気力も漲ってきませんし、知恵も湧かない
それが源じゃないでしょうか

木浦
若い時は一所懸命自分のために生きている
という気持ちでやってきたんですけど
いまになって考えると
こうして立場や機会
環境を与えられているのは、
すべて周りの助けがあってのことです

ですから、
「生きる力」
はどこから出てくるかといえば
それは謙虚な気持ちで、
「自分は生かされている」
という気持ちを持つことだと思うんです

生きているのではなくて、生かされている

そういうことを
心の底から実感できた時に初めて
真の人生を生きることが
できるのではないかと思います
1・NOと言わない女性
・誘われたら何時でも会いに行く。
・自分の言いたいことを言えない。


2・好きになりすぎる女性
・結局、一方的に惚れていると思われ
 都合のいいように扱われてしまう。
・頼まれたらいやと言えない、
 好きになったら一直線。


3・優しい女性
・優しい人、他人の目を気にする。
・優しくて、母性本能が強い。


4・世話をやく女性
・面倒見が良いタイプ。
・姉御肌。


5・彼氏が生活の全てになっている女性
・常に携帯をスタンバイしてる。
・相手に合せるために、スケジュールを
 空けておく傾向がある。


6・不幸な恋に惹かれる女性
・ダメ男好き。
・顔重視。かっこいい人にはついていきたい。
・恋愛する際、悲劇のヒロインぶる。恋に恋する。


7・自信が持てない女性
・自分に自信がなく、人を頼る。
・一人が寂しくてたまらない。
・過度に男性に依存し一人で居られない。


8・プライドが高い女性
・モテないのに、モテようといろいろ手を出す。
・自分を良く見せたいタイプ。
・お金に余裕があり、男性経験が豊富。
 モテるはずの自分が、フリーなのが
 許せなくて都合よく使われてしまう。


一度しかない人生をよりよく生きましょう♪
都合の良い女
【置かれたところで咲きなさい】

初めての土地、

思いがけない役職、

未経験の事柄の連続、

それは私が当初考えていた修道生活とは、

あまりにもかけはなれていて、

私はいつの間にか

“くれない族”になっていました。


「あいさつしてくれない」

こんなに苦労しているのに

「ねぎらってくれない」
「わかってくれない」

自信を喪失し、

修道院を出ようかとまで思いつめた私に、

一人の宣教師が一つの短い英語の詩を

渡してくれました。


その詩の冒頭の一行、

それが「置かれたところで咲きなさい」という

言葉だったのです。

岡山という土地に置かれ、

学長という風当たりの強い立場に置かれ、

四苦八苦している私を見るに見かねて、

くださったのでしょう。


私は変わりました。

そうだ。


置かれた場に不平不満を持ち、

他人の出方で幸せになったり

不幸せになったりしては、

私は環境の奴隷でしかない。


人間と生まれたからには、

どんなところに置かれても、

そこで環境の主人となり自分の花を咲かせよう、

と決心することができました。


それは「私が変わる」ことによってのみ

可能でした。


いただいた詩は、

「置かれたところで咲きなさい」の後に続けて、

こう書かれていました。



「咲くということは、

仕方ないと諦めることではありません。

それは自分が笑顔で幸せに生き、

周囲の人々も幸せにすることによって、

神が、あなたを

ここにお植えになったのは間違いでなかったと、

証明することなのです」



私は、かくて

“くれない族”の自分と

訣別(けつべつ)しました。


私から先に学生にあいさつし、

ほほえみかけ、

お礼をいう人になったのです。


そうしたら不思議なことに、

教職員も学生も皆、

明るくなり優しくなってくれました。



「置かれたところで咲く」


この生き方は、

私だけでなく学生、卒業生たちにも波及しました。


結婚しても、就職しても、子育てをしても、

「こんなはずじゃなかった」と思うことが、

次から次に出てきます。

そんな時にも、その状況の中で

「咲く」努力をしてほしいのです。


どうしても咲けない時もあります。

雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、

そんな時には無理に咲かなくてもいい。


その代わりに、

根を下へ下へと降ろして、

根を張るのです。


次に咲く花がより大きく、

美しいものとなるために。


(渡辺 和子 ノートルダム清心学園理事長)
渡辺和子
【一杯のかけそば】



この物語は、今から35年ほど前の12月31日、

札幌の街にあるそば屋「北海亭」での出来事から始まる。

そば屋にとって一番のかき入れ時は大晦日である。

北海亭もこの日ばかりは朝からてんてこ舞の忙しさだった。

いつもは夜の12時過ぎまで賑やかな表通りだが、

夕方になるにつれ家路につく人々の足も速くなる。

10時を回ると北海亭の客足もぱったりと止まる。

頃合いを見計らって、人はいいのだが無愛想な主人に代わって、

常連客から女将さんと呼ばれているその妻は、

忙しかった1日をねぎらう、大入り袋と土産のそばを持たせて、

パートタイムの従業員を帰した。

最後の客が店を出たところで、そろそろ表の暖簾を下げようかと

話をしていた時、入口の戸がガラガラガラと力無く開いて、

2人の子どもを連れた女性が入ってきた。

6歳と10歳くらいの男の子は真新しい揃いのトレーニングウェア姿で、

女性は季節はずれのチェックの半コートを着ていた。

「いらっしゃいませ!」

と迎える女将に、その女性はおずおずと言った。

「あのー……かけそば……1人前なのですが……よろしいでしょうか」

後ろでは、2人の子ども達が心配顔で見上げている。

「えっ……えぇどうぞ。どうぞこちらへ」

暖房に近い2番テーブルへ案内しながら、

カウンターの奥に向かって、

「かけ1丁!」

と声をかける。

それを受けた主人は、チラリと3人連れに目をやりながら、

「あいよっ! かけ1丁!」

とこたえ、玉そば1個と、さらに半個を加えてゆでる。

玉そば1個で1人前の量である。

客と妻に悟られぬサービスで、大盛りの分量のそばがゆであがる。

テーブルに出された1杯のかけそばを囲んで、

額を寄せあって食べている3人の話し声が

カウンターの中までかすかに届く。

「おいしいね」

 と兄。

「お母さんもお食べよ」

と1本のそばをつまんで母親の口に持っていく弟。

やがて食べ終え、150円の代金を支払い、

「ごちそうさまでした」

と頭を下げて出ていく母子3人に、

「ありがとうございました! どうかよいお年を!」

と声を合わせる主人と女将。

新しい年を迎えた北海亭は、

相変わらずの忙しい毎日の中で1年が過ぎ、

再び12月31日がやってきた。

前年以上の猫の手も借りたいような1日が終わり、

10時を過ぎたところで、店を閉めようとしたとき、

ガラガラガラと戸が開いて、

2人の男の子を連れた女性が入ってきた。

女将は女性の着ているチェックの半コートを見て、

1年前の大晦日、最後の客を思いだした。

「あのー……かけそば……1人前なのですが……よろしいでしょうか」

「どうぞどうぞ。こちらへ」

女将は、昨年と同じ2番テーブルへ案内しながら、

「かけ1丁!」

 と大きな声をかける。

「あいよっ! かけ1丁」

と主人はこたえながら、

消したばかりのコンロに火を入れる。

「ねえお前さん、サービスということで3人前、出して上げようよ」

そっと耳打ちする女将に、

「だめだだめだ、そんな事したら、かえって気をつかうべ」

と言いながら玉そば1つ半をゆで上げる夫を見て、

「お前さん、仏頂面してるけどいいとこあるねえ」

とほほ笑む妻に対し、

相変わらずだまって盛りつけをする主人である。

テーブルの上の、1杯のそばを囲んだ母子3人の会話が、

カウンターの中と外の2人に聞こえる。

「……おいしいね……」

「今年も北海亭のおそば食べれたね」

「来年も食べれるといいね……」

食べ終えて、150円を支払い、

出ていく3人の後ろ姿に

「ありがとうございました! どうかよいお年を!」

その日、何十回とくり返した言葉で送り出した。

商売繁盛のうちに迎えたその翌年の大晦日の夜、

北海亭の主人と女将は、たがいに口にこそ出さないが、

九時半を過ぎた頃より、そわそわと落ち着かない。

10時を回ったところで従業員を帰した主人は、

壁に下げてあるメニュー札を次々と裏返した。

今年の夏に値上げして「かけそば200円」と書かれていたメニュー札が、

150円に早変わりしていた。

2番テーブルの上には、

すでに30分も前から「予約席」の札が女将の手で置かれていた。

10時半になって、店内の客足がとぎれるのを待っていたかのように、

母と子の3人連れが入ってきた。

兄は中学生の制服、弟は去年兄が着ていた大きめのジャンパーを着ていた。

2人とも見違えるほどに成長していたが、

母親は色あせたあのチェックの半コート姿のままだった。

「いらっしゃいませ!」

と笑顔で迎える女将に、母親はおずおずと言う。

「あのー……かけそば……2人前なのですが……よろしいでしょうか」

「えっ……どうぞどうぞ。さぁこちらへ」

と2番テーブルへ案内しながら、

そこにあった「予約席」の札を何気なく隠し、

カウンターに向かって

「かけ2丁!」

 それを受けて

「あいよっ! かけ2丁!」

とこたえた主人は、玉そば3個を湯の中にほうり込んだ。

2杯のかけそばを互いに食べあう母子3人の明るい笑い声が聞こえ、

話も弾んでいるのがわかる。

カウンターの中で思わず目と目を見交わしてほほ笑む女将と、

例の仏頂面のまま「うん、うん」とうなずく主人である。

「お兄ちゃん、淳ちゃん……
      今日は2人に、お母さんからお礼が言いたいの」

「……お礼って……どうしたの」

「実はね、死んだお父さんが起こした事故で、
8人もの人にけがをさせ迷惑をかけてしまったんだけど
……保険などでも支払いできなかった分を、毎月5万円ずつ払い続けていたの」

「うん、知っていたよ」

女将と主人は身動きしないで、じっと聞いている。

「支払いは年明けの3月までになっていたけど、
実は今日、ぜんぶ支払いを済ますことができたの」

「えっ! ほんとう、お母さん!」

「ええ、ほんとうよ。
お兄ちゃんは新聞配達をしてがんばってくれてるし、
淳ちゃんがお買い物や夕飯のしたくを毎日してくれたおかげで、
お母さん安心して働くことができたの。
よくがんばったからって、会社から特別手当をいただいたの。
それで支払いをぜんぶ終わらすことができたの」

「お母さん! お兄ちゃん! よかったね! 
でも、これからも、夕飯のしたくはボクがするよ」

「ボクも新聞配達、続けるよ。淳! がんばろうな!」

「ありがとう。ほんとうにありがとう」

「今だから言えるけど、淳とボク、お母さんに内緒にしていた事があるんだ。
それはね……11月の日曜日、淳の授業参観の案内が、学校からあったでしょう。
……あのとき、淳はもう1通、先生からの手紙をあずかってきてたんだ。
淳の書いた作文が北海道の代表に選ばれて、
全国コンクールに出品されることになったので、
参観日に、その作文を淳に読んでもらうって。
先生からの手紙をお母さんに見せれば
……むりして会社を休むのわかるから、淳、それを隠したんだ。
そのこと淳の友だちから聞いたものだから……ボクが参観日に行ったんだ」

「そう……そうだったの……それで」

「先生が、あなたは将来どんな人になりたいですか、という題で、
全員に作文を書いてもらいましたところ、
淳くんは、『一杯のかけそば』という題で書いてくれました。
これからその作文を読んでもらいますって。
『一杯のかけそば』って聞いただけで北海亭でのことだとわかったから
……淳のヤツなんでそんな恥ずかしいことを書くんだ! 
と心の中で思ったんだ。

作文はね……お父さんが、交通事故で死んでしまい、
たくさんの借金が残ったこと、
お母さんが、朝早くから夜遅くまで働いていること、
ボクが朝刊夕刊の配達に行っていることなど……ぜんぶ読みあげたんだ。

そして12月31日の夜、3人で食べた1杯のかけそばが、とてもおいしかったこと。
……3人でたった1杯しか頼まないのに、
おそば屋のおじさんとおばさんは、ありがとうございました! どうかよいお年を!
って大きな声をかけてくれたこと。
その声は……負けるなよ! 頑張れよ! 生きるんだよ! 
って言ってるような気がしたって。

それで淳は、大人になったら、
お客さんに、頑張ってね! 幸せにね! って思いを込めて、ありがとうございました! 
と言える日本一の、おそば屋さんになります。
って大きな声で読みあげたんだよ」

カウンターの中で、聞き耳を立てていたはずの主人と女将の姿が見えない。

カウンターの奥にしゃがみ込んだ2人は、

1本のタオルの端を互いに引っ張り合うようにつかんで、

こらえきれず溢れ出る涙を拭っていた。

「作文を読み終わったとき、先生が、淳くんのお兄さんが
お母さんにかわって来てくださってますので、
ここで挨拶をしていただきましょうって……」

「まぁ、それで、お兄ちゃんどうしたの」

「突然言われたので、初めは言葉が出なかったけど
……皆さん、いつも淳と仲よくしてくれてありがとう。
……弟は、毎日夕飯のしたくをしています。
それでクラブ活動の途中で帰るので、
迷惑をかけていると思います。
今、弟が『一杯のかけそば』と読み始めたとき
……ぼくは恥ずかしいと思いました。
……でも、胸を張って大きな声で読みあげている弟を見ているうちに、
1杯のかけそばを恥ずかしいと思う、
その心のほうが恥ずかしいことだと思いました。

あの時……1杯のかけそばを頼んでくれた母の勇気を、
忘れてはいけないと思います。
……兄弟、力を合わせ、母を守っていきます。
……これからも淳と仲よくして下さい、って言ったんだ」

しんみりと、互いに手を握ったり、

笑い転げるようにして肩を叩きあったり、

昨年までとは、打って変わった

楽しげな年越しそばを食べ終え、300円を支払い

「ごちそうさまでした」

と、深々と頭を下げて出て行く3人を、

主人と女将は1年を締めくくる大きな声で、

「ありがとうございました! どうかよいお年を!」

と送り出した。

また1年が過ぎて――。

北海亭では、夜の9時過ぎから「予約席」の札を

2番テーブルの上に置いて待ちに待ったが、

あの母子3人は現れなかった。

次の年も、さらに次の年も、

2番テーブルを空けて待ったが、3人は現れなかった。

北海亭は商売繁盛のなかで、店内改装をすることになり、

テーブルや椅子も新しくしたが、

あの2番テーブルだけはそのまま残した。

真新しいテーブルが並ぶなかで、

1脚だけ古いテーブルが中央に置かれている。

「どうしてこれがここに」

と不思議がる客に、

主人と女将は『一杯のかけそば』のことを話し、

このテーブルを見ては自分たちの励みにしている、

いつの日か、あの3人のお客さんが、

来てくださるかも知れない、

その時、このテーブルで迎えたい、と説明していた。

その話が「幸せのテーブル」として、客から客へと伝わった。

わざわざ遠くから訪ねてきて、そばを食べていく女学生がいたり、

そのテーブルが、空くのを待って注文をする若いカップルがいたりで、

なかなかの人気を呼んでいた。

それから更に、数年の歳月が流れた12月31日の夜のことである。

北海亭には同じ町内の商店会のメンバーで

家族同然のつきあいをしている仲間達が

それぞれの店じまいを終え集まってきていた。

北海亭で年越しそばを食べた後、

除夜の鐘の音を聞きながら仲間とその家族がそろって

近くの神社へ初詣に行くのが5~6年前からの恒例となっていた。

この夜も9時半過ぎに、魚屋の夫婦が刺身を

盛り合わせた大皿を両手に持って入って来たのが

合図だったかのように、いつもの仲間30人余りが

酒や肴を手に次々と北海亭に集まってきた。

「幸せの2番テーブル」の物語の由来を知っている仲間達のこと、

互いに口にこそ出さないが、

おそらく今年も空いたまま新年を迎えるであろう

「大晦日10時過ぎの予約席」をそっとしたまま、

窮屈な小上がりの席を全員が少しずつ身体を

ずらせて遅れてきた仲間を招き入れていた。

海水浴のエピソード、孫が生まれた話、大売り出しの話。

賑やかさが頂点に達した10時過ぎ、

入口の戸がガラガラガラと開いた。

幾人かの視線が入口に向けられ、全員が押し黙る。

北海亭の主人と女将以外は誰も会ったことのない、

あの「幸せの2番テーブル」の物語に出てくる薄

手のチェックの半コートを着た若い母親と

幼い二人の男の子を誰しもが想像するが、

入ってきたのはスーツを着てオーバーを手にした二人の青年だった。

ホッとした溜め息が漏れ、賑やかさが戻る。

女将が申し訳なさそうな顔で

「あいにく、満席なものですから」

断ろうとしたその時、和服姿の婦人が深々と頭を下げ入ってきて

二人の青年の間に立った。

店内にいる全ての者が息を呑んで聞き耳を立てる。

「あのー……かけそば……3人前なのですが……よろしいでしょうか」

その声を聞いて女将の顔色が変わる。

十数年の歳月を瞬時に押しのけ、

あの日の若い母親と幼い二人の姿が目の前の3人と重なる。

カウンターの中から目を見開いてにらみ付けている主人と

今入ってきた3人の客とを交互に指さしながら

「あの……あの……、おまえさん」

と、おろおろしている女将に青年の一人が言った。

「私達は14年前の大晦日の夜、
親子3人で1人前のかけそばを注文した者です。
あの時、一杯のかけそばに励まされ、
3人手を取り合って生き抜くことが出来ました。
その後、母の実家があります滋賀県へ越しました。
私は今年、医師の国家試験に合格しまして
京都の大学病院に小児科医の卵として勤めておりますが、
年明け4月より札幌の総合病院で勤務することになりました。
その病院への挨拶と父のお墓への報告を兼ね、
おそば屋さんにはなりませんでしたが、
京都の銀行に勤める弟と相談をしまして、
今までの人生の中で最高の贅沢を計画しました。
それは大晦日に母と3人で札幌の北海亭さんを訪ね、
3人前のかけそばを頼むことでした」

うなずきながら聞いていた女将と主人の目からどっと涙があふれ出る。

入口に近いテーブルに陣取っていた八百屋の大将が

そばを口に含んだまま聞いていたが、

そのままゴクッと飲み込んで立ち上がり

「おいおい、女将さん。何してんだよお。
10年間この日のために用意して待ちに待った
『大晦日10時過ぎの予約席』じゃないか。ご案内だよ。ご案内」

八百屋に肩をぽんと叩かれ、気を取り直した女将は

「ようこそ、さあどうぞ。 おまえさん、2番テーブルかけ3丁!」

仏頂面を涙でぬらした主人、

「あいよっ! かけ3丁!」

期せずして上がる歓声と拍手の店の外では、

先程までちらついていた雪もやみ、

新雪にはね返った窓明かりが照らしだす

『北海亭』と書かれた暖簾を、ほんの一足早く吹く睦月の風が揺らしていた。
外にでると、太陽の周りに虹が現れました虹晴れ虹

また大きな出逢いと成長の予感がしてなりませんハチ

{8CAA5B67-7FC5-4042-9BBC-4BA911085358:01}


川上を綺麗にしないと、川下は綺麗になりません波

根が健康でないと、葉も健康になりませんクローバー

必ず目標を達成していこうねチョキチョキチョキ