咲「ただいまー」
望美「おはへひ」
咲「って、おまえ、なんつーカッコしてるんだ。しかもアイスまで。行儀悪すぎ」
望美「んむ? ばふふぁおうあいふふぁいふぉー」
咲「アイスをくわえながら話すんじゃない。食うかしゃべるかどっちかにしろ」
望美「ちゅぽ」
咲「…………」
望美「ちゅぽぽぽ」
咲「音は立てなくて結構。この状態がどういうことか聞かせてもらおうか」
望美「……だってお風呂あがりは暑いんだもん。不可抗力」
咲「だからっておまえ、よく乾かしもしないでエアコンの前に陣取ってたら風邪引くぞ」
咲「ていうか、少しは羞じらいというものを……ああっ、ほら、床にポタポタ垂れてるじゃないか」
望美「いっぺんにいっぱい言われても……」
咲「だいたい風呂に入ったんなら、床に直座りするなよ……」
望美「床がちべたくてキモチかった」
咲「……よく見たらなんにもはいてないし。そんな格好でうろうろするんじゃない」
望美「咲は細かいことを気にしすぎ」
咲「非常識なおまえを野放しにするくらいならオレはうるさい男になることを選ぶ」
望美「……苦労性?」
咲「それでいいから、とりあえず立て。濡れた床拭くから。その間におまえはこっちのタオルで髪の水気を取るッ」
望美「この状態から私を立ちあがらせたいということは……」
咲「……?」
望美「床にくっきりとついている秋山望美の【ピー】拓、略してノゾタクをご所望ということに……なかなかヘンタイ」
咲「ヘンタイはそんな発想をするおまえだ」
望美「じゃあ、見ない?」
咲「…………」
望美「えっち」
咲「襲うぞ」
望美「……フヒ」
絵を見て五分、という感じで。
秋 史恭@脚本