望美「クッ……き、金髪つおい……」
亜矢「どうしたの? もうおしまい?」
優「亜矢ちゃんの一人勝ちだねぇ。そろそろ泉ちゃんがなにか仕掛けそうな気もするけど」
泉「ん? 今日は無理かなぁ。亜矢ちゃんの勢いには抗しがたいものがありますって感じ」
望美「それでも負ける気がしない」
亜矢「ふふっ、気がしないだけでしょ。金髪さんを甘くみないことね」
望美「なに余裕ぶっこいてるの? 三巻で気持ちよすぎてお漏らしするくせに……」
亜矢「どこの誰に特定してんのよ! 一般論! 金髪キャラ!」
望美「お漏らしなら負けないもん。あの金髪さんは確かに最強クラスだけど……」
亜矢「どの金髪さんだか知らないけど、どんなゲームでもキンパツ最強って決まってるの」
望美「嘘だッ!!」
優「のっ、望美ちゃん、キャラ違う! キャラ違う!」
泉「まぁ色で勝負が決まるわけじゃない、というのには賛成なんだけど~。残念ながら、今は流れが亜矢ちゃんにあるのよ」
望美「むぅ……」
亜矢「これでも手加減してあげてるんだから。ツインテールなんかにしたらロングホーンで一千万パワーよ」
望美「おー。あく●ちょうじん……そっちなら納得」
亜矢「誰が悪魔かッ! 納得すんな!」
望美「……自分で次のネタ振ったくせにノッてこないなんて理不尽極まりない。イケズ。ドケチ。そんなのツッコミじゃない。このボケ殺し」
亜矢「そこまで言うか……しかもボソボソ」
望美「転がして膨らませて小刻みに笑いを獲る――それが私たちのスタイルじゃなかったの?」
亜矢「いや、私たち今、対戦中なんだけど……」
望美「『そんな寂しいこと言うなよ。黙ってやってたら覗いてる人たちがつまんないじゃないか』とカンペに書いてある」
優「の、覗かれてるの!?」
望美「私たちは常に視線にさらされている」
亜矢「だったら、みんなが見ている前で勝負を決めましょうか」
望美「望むところナリ。この身を捨てるほどの勢いで、この流れを――変えるッ!!」
カカッ!
亜矢「ほいきたロ~~ン♪」
望美「――!?」
亜矢「急ぎすぎたわね。この身を捨てる? そんな覚悟じゃダメダメ。命の深さを卑下する者に、真の勝負は語れないのよ」
泉「……ふぅ、計算する必要もないくらい完敗ね」
亜矢「よっしゃー! 一週間望美抱きつき自由券げっとぉぉぉっ!」
優「あ、賭けてたのってそれだったんだ」
泉「わたしもほしかったなぁ~」
亜矢「ふふふ、ここぞという勝負には負けたことないのよね、私。明日から、背後に気をつけなさい。じゃ、今日は帰るわ」
望美「……あ、あンた、背中がキラキラしてるぜ」
※本編とはまったく関係ありません(いつもですが)。
秋 史恭@脚本