望美「真奈、真奈」


真奈「…………」


望美「まなななな」


真奈「……なによ」


望美「まんが描いて」


真奈「ハァ!? なんでそんなもの描かなきゃいけないわけ? ていうか描けないし」


望美「でもメガネかけてる」


真奈「まんがとメガネは関係ない……あんたメガネをなんだと思ってんのよ……ッ」


望美「……隣のクラスのメガネ女子はまんが描いてる」


真奈「だったらそいつに頼め!」


望美「男同士がイチャイチャしてるのを描いてたから、なんか違うと感じた」


真奈「……それは正解だけど。そもそも描いてどうすんのよ」


望美「夏だ、有明、大まんが祭」


真奈「……スペース取れてるの?」


望美「なんぞそれ?」


真奈「話にならない。はい終了」


望美「諦めたらそこで試合終了デスヨ?」


真奈「自分のスペースも委託先もなけりゃ、はじまりもしない!」


望美「詳しい……?」


真奈「うっ……」


望美「ここに宝の地図がある」


真奈「……なによ。企業ブースの配置図じゃない」


望美「描いたらここに置いてくれる手はずに……」


真奈「個人の創作物を企業に置くんじゃないッ!」


望美「ダメ?」


真奈「ダメダメ。おとなしく机にラクガキでもしてろ」


望美「わかった」


真奈「あたしの机でや・る・ん・じゃ・ないッ!!」



秋 史恭@脚本