江守徹さん
でした。
そうです。
NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」でのナビゲーターが、江守さん扮する近松だったのです。
確か小学生のとき、この近松の語り口に私は毎週ノックアウトで友達との交換日記にも書く位好きで「えもりとおるって誰?」と聞かれた覚えがあります。
それを思い出すと近いような気もしますが・・・(なんというか単純に江守さん要素が強すぎるので)やはり近松というと、黙阿弥や南北に比べ少し遡る時代の人だからか、作品というより人物そのものはちょっと遠いイメージがありました。が、『心中天の網島』公演を経て、だいぶ変わりました。
理由としてまず、木ノ下歌舞伎で取り上げる際、作者やその周辺について文献にあたり、外部との結びつきについても考えたりするので、
「こういう生い立ちだったんだな」とか
「こういう状況のときにこの作品かいてたんだな」などの、発見があるのでその人(作者)に近づいた気持ちになる、というのが理由の一つにあります。
ただ今回は、演出の糸井幸之介さんが、そういった書物を通してではない、近松門左衛門の一面を、作品を通して気づかせてくださった。というのが、近松が身近になった最大の理由ではないかと思います。
糸井さんは、稽古のときから
「ちょっと近松と話してこうなったんだけど」とでもいわんばかりの演出や、歌詞や曲を書かれるので、「実は近松と繋がる秘密の無線かタイムマシンでも所持してるのかな」と思ってしまう日々でした。もちろん、[糸井さん]と[近松さん]の間に2年という歳月をかけて仲人をしてきた[木ノ下さん]がいたおかげで、二人の仲が深まったのだろうし、いいたいことが言える間柄になったのだろうなとも思います。
はっ
はっ
これまで自分にとって「愛と死」といえば
大好きな小説のタイトルだったことを、今の今まで忘れていました。
それ位、この木ノ下歌舞伎版『心中天の網島』における、治平衛と小春のやりとりや、おさんと治平衛の軌跡、すべての人々が愛おしく、武者小路実篤をも忘れさせるパワーがあったのでしょう。
平成も享保も 端から端まで 愛と死
みんながつい口ずさんでしまう、どこを切り取ってもぎゅっとなる歌詞
端から端まで 嗚呼 愛しい
平成も享保も 端から端まで 愛と死
みんながつい口ずさんでしまう、どこを切り取ってもぎゅっとなる歌詞
端から端まで 嗚呼 愛しい
関係者の皆様、ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。