いつかの実話
何年か前の春桜が満開で暖かくて外気の心地よさに絆されてフラフラと散歩をした歩いて20分ほどでいつかの校舎が満開の花弁の向こうに見えてきた誰もいない校庭足音のない廊下差し込む日差しが柔らかく迎入れてくれたので教室を覗き込みながら3階まで上がる長い廊下の奥 体育館へ続く渡り廊下の入り口から春風が走り抜け日の光に眩しさを感じつつ渡り廊下から続く体育館の屋根へ降りる屋根伝いに教室の方へと続く60センチ幅の縁を歩く先端まで行くと校庭が見渡せる。眼下に懐かしい体育教師が見えて見つかるかもしれない緊張と楽しさでワクワクしながら身を隠す先生は私の存在に気づくはずもなく体育館へと消えていったスパイのような気分を味わったあとは、一休み狭い縁の先端に腰掛て静かな校庭を見渡す真下を覗くと花壇に咲いた花とコンクリートタイルに彩られた道が綺麗なコントラストを生んでいた自分以外誰もいないこの場所が特別に思えてきた。ここから落ちたら死ぬだろうか?彩られたコンクリートタイルに朽ちる自分の死体を想像する3階じゃ死ねないかもしれない試してみようか?せっかくこんなに気持ちのいい日だ。今日死ぬなら、悪くないかもなぁそんなことを考えていると愚かにもまるで、この空間も自分の命も 私が握っているような錯覚に陥る殺すこともできるし 生かすこともできる心地よい空間を天国にも 地獄にもできる全ては私の意志次第全ては錯覚だと知っていても今この瞬間だけは 私が命を掌握しているような気がして楽しくなってしまったでもね ちゃんと わかっています。命を握っているのはただ一つの存在のみ私が飛んでも殺してはくれないし生きようとも生かしてはくれないだから多分 私が気持ちよく死のうとしてもそうはさせてくれないんだろうなぁ役割を果たすまで 生かされもし、飛べばその役割を放棄しようとした事を許さない死ぬより辛い現実を生かされるかもしれないなあぁ恐ろしいあぁ楽しい同時に、 自殺はほとんど衝動だ ってどこかで聞いた言葉を思い出すこう言うことか。なんかわかるな。衝動 ね でもこんなに気持ちい春じゃ死んでみたくもなるよねさぁ 十分楽しんだ見つかる前に帰ろうかな あれから何年たっても 桜が咲くたびに思い出されるあの時の美しい記憶の話