本日はエチオピアの歴史について、みていきたいと思います。
しかし、このエチオピアという国は、非常に珍しい特徴を有しており、さらに文化的・歴史的にも意義のある国家・民族であると考えています。
・列強のアフリカ分割でも植民地にならず、独立を守った(一時的にイタリアに占領されてしまいますが)
・アフリカでは珍しく、キリスト教国である
・ソロモン王とシバの女王の子、メネリク1世を(伝承上の)国家の起源としている
上記のとおり、非常に面白い国であると思います。ヘブライ人の王であるソロモン王の系譜を継承する国家であると自称しているので、エチオピアの国旗と国章には、ソロモン王の五芒星が用いられています。
1.アクスム王国
エチオピアには元々ネグロイド(黒人)の先住民が住んでいました。イエメンのシバ王国から住民も少数移住し、ソロモン王とシバの女王の血筋を受け継ぐと称するアクスム王国(100年–940年)が建国され、紅海沿岸の港町アドゥリスを通じた貿易で繁栄します。
コプト教が伝来し、クシュ王国を滅ぼして、イエメンの一部まで支配したようです。イエメンは現在のエチオピアから紅海を挟んだ向こう側の領土です。アラビア半島の南端にあたります。コプト教とは、エジプトで発展したキリスト教のことです。
インドとローマと交易していました。象牙・金・エメラルドを輸出し、絹・香辛料・手工業製品を輸入していました。
後にアラビア半島にイスラム教が興り、アクスム王国領の周辺にも進出してきますが、うまく共存してキリスト教の文化が守られました。
アクスム王国は、10世紀ごろにベタ・イスラエルの女首長グディトに滅ぼされたという説とアクスムのやや南方のラスタ地方から台頭してきたアガウ族のザグウェ朝に滅ぼされたという説があるようです。
2.ザグウェ朝エチオピア帝国
ザグウェ朝エチオピア帝国(1137年–1270年)は、13世紀初頭のゲブレ・メスケル・ラリベラ王のときが全盛期で、首都ロハには世界遺産にもなっているラリベラの岩窟教会群が築かれました。しかし、南方のショア、アムハラ地方からアクスム王の血筋を受け継ぐと称する有力者イクノ・アムラクによって1270年に滅ぼされます。
3.ソロモン朝エチオピア帝国
イクノ・アムラクの建てた王朝はソロモン朝エチオピア帝国(1262年-1974年)と呼ばれます。16世紀以降はソロモン朝の力が衰え、1679年から1855年頃まで諸侯が抗争する群雄割拠の時代となります(諸公侯時代)。
諸公侯の群雄割拠を抑えて再び統一へ向かわせたのがテオドロス2世です。ソロモン朝中興の主とされ、近代エチオピアは彼の治世に始まったといわれます。メネリク2世の19世紀の末に2度イタリアの侵略を受けますが、1896年アドワの戦いによって撃退しています(第一次エチオピア戦争)。
すごいと思いませんか?地理的に山岳地帯であるために攻めづらかったこともあるし、列強で「最弱」のイタリアが相手だったとはいえ、ヨーロッパ列強を破ったのですからすごいことです。帝国主義時代にヨーロッパ列強と戦う実力があった国は、大日本帝国・オスマン帝国(トルコ)・タイ(シャム王国)・エチオピアの四国くらいだったのではないでしょうか?エチオピアの他には、アフリカで白人の植民地にならなかったのは、リベリアだけです。
1930年11月2日に皇帝に即位したハイレ・セラシエ1世は、即位後エチオピア初の成文憲法となったエチオピア1931年憲法を大日本帝国憲法を範として制定しています。
ところが・・・ファシスト・イタリア王国の統領ベニート・ムッソリーニは、1931年の時点で人口4200万人に達していたイタリア国内の過剰人口を入植させるため、1934年の「ワルワル事件」を経た後、1935年にエチオピアに軍事侵攻します(第二次エチオピア戦争)。
イタリア軍は1936年3月のマイチァウの戦いで毒ガスを使用してエチオピア軍を壊滅させました。皇帝ハイレ・セラシエ1世はロンドンに亡命、1936年5月5日にピエトロ・バドリオ率いるイタリア軍が首都アディスアベバに入城しました。
首都アディスアベバ陥落後、1936年から1941年にかけてエチオピアはイタリアの植民地に編入されてしまいます。ファシスト・イタリアはイスラーム教徒のオロモ人を優遇し、キリスト教徒のアムハラ人を冷遇する分割統治策を採用します。その間も「黒い獅子たち」と呼ばれるゲリラが抗イタリアのレジスタンス運動を行いました。
1939年に第二次世界大戦が勃発すると、エチオピアを占領していたイタリア軍とイギリス軍は東アフリカ戦線で激戦を行い、皇帝ハイレ・セラシエ1世はイギリス軍と共に1941年にアディスアベバに凱旋します。一時的にイギリス軍による軍政となりますが、見事エチオピアは独立を回復します。
後半(戦後現代史)に続く。
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