報告＝アールマティ「真白くない地図」

アスクが書き忘れたことを書きます。
地図のこと。

ジグ達がくれた大切なものは鎧や盾だけじゃありません。
第一階層の地図を渡してくれました。
ギルドの名「ましろきちず」に反して色々汚れてるけどな、と笑っていましたが、それを書き記すのにどれだけ苦労したのか、その汚れが示してます。

三人で樹海に挑む私達にとって、そこに記されたメモ――希望に満ちた檄文、夢に溢れた宝箱、襲いかかる脅威、神秘の泉、など――は力強く勇気づけてくれる魔法の呪文でした。

けど。

ジグさん、地図の表題が長すぎて肝心の地図が紙から溢れてます。
マギくん、宝箱の中身を書かずに欲しいものを書くのはやめましょう。
レニちゃん、ドクアゲハ？の絵で下に書かれたメモが読めません。
フィアナさん、本当にありがとう。


§追伸§
地図を受け取った時、クロカミさんに怖い目で睨まれたのは…
気のせいでしょうか。

報告＝イシュタル「アルケミスト許すまじ」

あたしとしては、こんなもん書いてどうすんの？と思うんだけど、アスクが「スポンサーの為だから…」と煩いので書いとく。
ジグ達のやってることは、マギが宿屋で聴かせてくれるけど、あたしらのやってることを唄ってみせろったって、そりゃ無理だし。
仕方ない。

ふん。

あー、えー、と。

アスクが書いたこと以外に何を書けってんだ？


§追伸§
複眼の入手方法がわかった。
叩かずに燃やしたり凍らせれば良いらしい――あたしらには無理だけど。

これまでの苦労はなんだったんだ。
アスクもアールマティも力尽きてる、もちろんあたしもだ。
はあ。

それにしても、クロカミの奴。
「考えてみれば簡単なことだ」

…。
いつか泣かせてやる。

報告＝アスク「すまじきものは宮仕え」

――色々迷って時間がたってしまったが、やはり紙にまとめることにする。

僕達が樹海で出会った五人組に雇われて(こう言うと彼らは怒るのだが…)一週間、冒険の様相はがらりと変わってしまった。
お下がりとは言え、僕達の身に付けていたものとは段違いの高級品のおかげだ。
地下一階の蝶やモグラに出会っても、擦り傷程度で済んでしまう。

同郷の三人で冒険者ギルドに登録したものの丁度いいメンバーを揃えることが出来ず、無謀との謗りを受けながらも三人で世界樹の迷宮に挑んだあの時とは比べ物にならない。

その恩に報いる為にも、頼まれたことは早めに片付けられるように頑張ろうと思う。
その時には雇われではなく、仲間になったと自分でも思えるはずだ。


§追伸§
本当に複眼、シンリンチョウが落とすの！？

数百匹倒したのに、ひとつも落とさない…
シンリンチョウ、シンリンチョウ、来る日も来る日もばっさばっさと薙ぎ倒し、明くる日も明くる日もわっさわっさと鱗粉塗れ…

こんな生活、もう嫌だぁっ！！