生物の多様性は、地球上の動物、植物、微生物など多彩な生物の個性と、それらを取り巻く環境をまとめて保全しようという考え方です。

単なる「種の多様性」だけでなく、森林や干潟などの「生態系の多様性」、同じ種の中での「遺伝子の多様性」の3つのレベルで定義されています。


つまり、ある絶滅しかけている種だけを対象とするのではなく、水や土や空気を通じたエネルギーのサイクル、人間の暮らしや文化、さらに人間が行う開発までも取り込んで、生態系の全体像を見据えて保全を図ろうという概念です。

■3種類のモデル

環境省(当時:環境庁)は1997年、地域レベルでの生物多様性の保全に取り組もうと、生態系をまとまりとしてとらえられる3種類のモデル地域を選定しました。

「流域タイプ」に東京都、神奈川県の鶴見川流域、「土地タイプ」に岩手県の折爪岳地域、そして「半島・島しょタイプ」には長崎県県北の北松浦半島と周辺の島地域を選び、地域計画を策定しました。

■「里山」の自然

長崎県北は、島や海辺、山などの地形の変化のほか、棚田や畑、樹林など土地利用の変化も多彩で、「里山」の自然も多くあります。
特有の生態系を持ち、その多種雑多な生態系を維持していくことこそ「生物多様性の保全」との考えです。



小松雅利