凪
波紋
さざなみ
うねり
渦。
心は水面。
感情は波模様だ。
凪のように
揺れ動かず
平静な状態。
ぽつんっと
小石が投げ込まれて
小さな波紋が
輪になって連続する。
少し
気分に変化が現れる。
さざなみ。
しばらく
ゆらゆらと波が立つ。
「そのこと」が
頭から離れない。
ざわざわざわざわ。
さざなみが
止まらない
止まらない
止まらない。
うねり始める。
波が高くなる。
一度走り始めた波は
止められない。
心の中が激しく揺さぶられ
もう、どうにもできない
ごうごうごう。
強い感情
止められない。
自分は
どうなってしまうんだろう
もう、
ダメだ・・・
渦。
何も見えなくなった。
ここにあるのは
何の感情かも
わからない。
ただ、
泡だらけの水中に
引き込まれていく。
苦しまぎれに
見えた水面は
嘘だと思えるほど
平らだった。
記憶はそこで
終わる。
目が覚めると、
鏡のような
凪。
さっきのあれは
何だったのか。
ぽつんっ
小石がふたたび
投げ込まれる。
波紋が広がる。
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心は水面。
感情は波模様。
人間も自然の一部。
それなら
感情もまた自然と同調する。
ゆらゆらと
絶えず姿を変える、水面。
驚くほど繊細で
ほんの小さな小石でも
波紋は起こる。
そこに
善も悪もない。
ただ、
現象として起こるだけ。
さざなみで終わる日もあれば
うねり高まる波の日もある。
渦に飲み込まれる日もある。
凪でしかない日もある。
それは自然現象である。
ただの
自然現象である。
善も悪もない。