光源検討 | 製剤屋へようこそ

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 最近LEDライトが安価に手に入るようになったのですが、これが、今までのライティング機材の光量のどれくらいに相当するのかを簡単に比較になる情報があまりありませんでした。

 

 ライティングはなるべく大きな面で発光させる工夫ができると、表現の幅が広がります。ここで問題となるのが、大きな面で発光させるにはそれなりの光量が必要になってくるので、どうしても、高出力のアイランプ、もしくはストロボが必要でした。これに耐えうるシステムは高価となり素人が個人で手を出せるものではありませんでした。昔はISO感度も上げられませんでしたから、光量を上げるしか手段がなかったという事もあると思います。でも、デジタルとなり、今は少々ISOを上げても問題は無いくらいにカメラの性能が上がりました。ISO 400だとしても、光量はISO100の4分の1で済むことになります。

 

 試しに、アマゾンでバッテリー式の204球(1440ルーメン。公式換算表からだと大体白熱灯100W換算でしょうか)が2500円程度で購入できたので試してみると、結構明るい。ただし、はがきサイズですのでほぼ点光源。100W換算なら、ライトボックスでディフューズできるかと思い試してみました。

 

 比べたのは上述の204球LEDと、持っていた150Wアイランプ、150W相当蛍光灯。60×90 cmのアンブレラ形式のレフボックスを使いレフボックスの表面から1mの距離の光度を露出計で測定しました。

 

ルクス       アイランプ   アイランプ     LED     蛍光灯

           (フラッド)   (スポット)

直当           900            1400              970      240

レフボックス       450              560             260        230

 

SS          アイランプ   アイランプ     LED     蛍光灯

(ISO 400, f2.0)  (フラッド)   (スポット)

直当        320+2/3         500+1/3    320+2/3       80+2/3

レフボックス   160+2/3            200        100            80+2/3

 

 結果としてLEDは100W程度と、巷で言われている白熱灯換算となるかと。ただ、ダイレクトで当てる場合に通用する換算式ということですね。LEDのほうがより収束率が高いので、反射させる場合は効率がアイランプに比べると落ちてしまいます。これはアイランプでも同様ですね。逆に四方に発光するような形状の蛍光灯が、反射しても光量があまり変わらなかったのは驚きでした。

 

 残念ながら、今回準備したLEDでは光量が足りないという事、150W相当の蛍光灯でも1灯では、撮影では光量が足りない事が判りました。売っているライトボックスは蛍光灯4本使用が主力なのはそれなりの理由であったと。すでに光源を追加するには時間がなかったので、使えないかもしれないと思いながらも4日の屋内撮影会では150W相当の蛍光灯1本タイプを持参。実際、光量は少なかったですが、今回組んだシステムでも何もない状態よりはずっとましとわかり、45WのLED電球の購入に踏み切りました(演色性がよいとの評判の物)。

 

 平面LEDはまだまだお高いですし、何しろ発光面も人物を撮るには小さいです。今回組んだシステムなら、ライトボックスで反射させても20W(170W相当)の明るさで、面の大きさは60cm*90cmと人物を撮るにも使える広さとなります。

 

 素直にアイランプで良いじゃんという話もあるのですが、150Wのアイランプの箱に記載してある定格寿命は25時間。この時間で切れるとは思いませんが気楽に使えるものではありません。LEDだと大体20000時間。一週間に1回、12時間連続点灯する撮影を行っても33年持つことになります(その前に回路がいかれそうですが)。コストパフォーマンスは比べ物になりません。