【技術編 基本動作シリーズ全4回】第3回目「連絡・報告の促進はパターンを作ることがポイント」 | 清話会

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小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (16)

【プレイングマネージャーの技術編 基本動作シリーズ 全4回】
第3回目「連絡・報告の促進はパターンを作ることがポイント」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 
人・チームを動かすために必要な信頼のコミュニケーションパイプが「連絡・報告」です。
しかし、その意味を理解している会社は少ない。今回はコミュニケーションの基本中の基本である連絡・報告について説明します。

■人・チームを動かすために必要な信頼のコミュニケーションパイプ
               
連絡・報告は 、リーダーの職場管理のツールでも、部下のアリバイ証明のためでもありません。 連絡・報告をすることが、共通の目的達成のために不可欠だから必要となるのです。

メンバーが掴んだ情報をチームとして共有化することで、共通認識を持つことができます。現場は瞬間で動いているので、ミーティングや会議のみで問題が解決されることは稀です。だから、タイムリーな連絡・報告が必要となります。
                      
PDCAサイクルの中で、PDはできてもCAができない会社が多いようです。   
いくら具体的な計画を作って、役割分担しても、チェックがなく「1カ月間ノーチェックで経過」したら、「月末に締めて出てきた結果が業績である」という発想になってしまいます。「業績が出た」と「業績を叩き出した」では根本的に違います。
 
チェックをするときに連絡・報告がスムーズにできていると、問題の早期発見・対応ができて成果が上がります。
              
■連絡・報告の正しい理解

正しい理解の仕方は連絡、そして報告となります。

「報告をする人は仕事を早く覚える」といわれます。その理由は、報告に必要な対策を考え伝え、その考え方が正しいかどうかの価値観判断基準を上司に教えてもらえるからで、成長スピードが早くなります。

■報告の4つの種類


報告の種類は大きく分けて4つあります。


この4つの種類の中で一番重要なのは中間報告です。

中間報告は、中間時点の進捗状況と終了までの見通しを報告し、上司から判断を伺うこととなります。そのポイントは、現時点ではこういう状況。だから、次はこういう対策を打っていく、ということを自分で考え、上司に伝え、チームで共有化することにあります。

中間報告の最大のメリットは、終了報告で一番怖いことを考えればわかりますが、期限を過ぎたときに、「できていません、失敗しました」となれば取返しはつきません。

つまり、中間報告をすることで、その時点で「今こうなっています。期限までにはこういう手を打ちます」と、人の動きにコントロール機能を入れることが可能になります。

この中間報告のノウハウは色々な場面で活用されています。

例えば、業績の見通し、これも実は中間報告です。

例えば末締めの会社で4月1日から4月30日までの業績について、22日現在で幾ら。これを踏まえて、4月30日に最終的には幾らになります。これも中間報告です。

業績を上げている会社のPDCAには、3つの共通項があります。
・全員がチームの目標を知っている
・全員が現時点でのチームの業績数値を押さえている
・差額対策を全員が自分の立場で考えている

この3点を現場で実践している会社・部門は、業績がよいと言えます。
業績を比較的つくり出せる会社の体質は、こういうことを日常の中で行っていることにあります。

■報告のやり方

基本的な報告のやり方は以下の通りです。
 

報告がうまくできないのは、そのやり方をパターン化していないことが原因となります。

 
上記の3つのパターンを決めると、リーダーは楽にマネージメントができやすい環境ができます。

■報告のまとめ方
  
日本語で一番正しい言葉は数値です。この意味は、人を迷わせないことにあります。

誰に聞いても4月10日は4月10日ですから、迷いません。人が人に対して行うコミュニケーションでは迷いや間違いを起こさない方法が基本です。この数値を使って報告をするときのポイントは以下の通りです。
      
(1) When (いつ)
(2) Who (誰が)
(3) Where (どこで)
(4) What (何を)
(5) Why (なぜ)
(6) How to (どのように)
(7) How much (いくらで)
(8) How many (いくつ)

この8点を使って、報告をする習慣を身につけさせるのです。連絡・報告を促進させるためにはその型・パターンを作ることが早道です。

最後に報告・連絡の基本動作チェックをご参考にしてください。




(次回に続く)

 

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html