国境の島「対馬(つしま)」から④ 早田優子氏 | 清話会

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国境の島「対馬(つしま)」から④

早田優子氏(フリーライター、Webサイト「対馬の樹」管理人)

WEBサイト□対馬の樹   http://www.tsushimanoki.net

対馬市福岡事務所レポート http://tsjfuk.exblog.jp/



「対馬市福岡事務所がオープンしました」


新年度がスタートし、早くも1ヶ月が過ぎようとしています。私は、4月10日、博多駅前にオープンした、対馬市福岡事務所に勤務することになりました。まさに新しい年度の始まりを迎え、そんなに若くはありませんが、多少はフレッシュマンのような感じで日々を過ごしています。


といっても、同郷の方々(対馬市から出向してきた2名の職員)とご一緒させていただいているので、すぐに打ち解けることができ、日当たりの良い11階にあるこぢんまりとしたオフィスで、和気あいあいとお仕事させていただいています。(さっそく、ブログ「対馬市福岡事務所レポート」を担当させていただいていますhttp://tsjfuk.exblog.jp/ )。


第4回目は、やや宣伝に寄った内容になりますが、非常にタイムリーであり、いくつかの地元メディアにも注目されているため、対馬市福岡事務所の現在の取り組み、開設に至った経緯や今後の展開について(まだ暫定的ではありますが)、ご紹介させていただきたいと思います。


今現在は、メディア、流通関連、対馬の産物を使った商売をされている方など、各企業とのリレーションシップを深めることができるように努力しています。(ありがたいことに、ほぼ毎日、終日にわたって、ご対応させていただいています)。


すでに発表している内容としては、「福岡をはじめとする北部九州圏域を対象に、対馬の観光・物産のPRや企業誘致、情報収集などを行ってまいります」ではありますが、事業コンセプトや事業計画、具体的な業務内容については、今まさに詰めている段階にあります。


そのため、つい先日、西日本新聞社の取材を受け、対馬市福岡事務所の目的や今後の展開について問われましたが、クリアなものを回答できたとは言えない状況です。ただ、「各自治体の事務所が福岡市から撤退している中、なぜ対馬市は福岡事務所を構えるのでしょうか?撤退理由として、ウェブで情報収集できるからとも言われていますが」という問いがあり、このあたりについては、熱く回答させていただきました。


まず何より、顔を合わせて話すことに勝るコミュニケーション方法はないということが挙げられます。対馬の場合は、離島という地理的ハンディを背負っているため、「大した用じゃないけど、近くまで来たからふらっと寄りました」ということができにくい環境にあります。企業としては、費用と時間をかけて行くのだからそれなりの成果が上げられないと動けないという事情があると思います。同程度の成果を近場で上げられるのであれば、そちらに行くのが当然です。


また逆に、対馬市の職員がわざわざ島外へ出向いて情報収集などを行うとなると、(まあお役所というところですし)、かなりのスタミナを使うことになるかと思います。気軽に地元以外の企業や専門的知識のある方などとコミュニケーションできないことが、閉塞的を生んでいる要因の一つだと思います。


現在は、ウェブでかなり精度の高い情報を得ることができますし、メールで簡単にやり取りできます。ただしそれは、あくまでもピンポイントで、情報の幅や深さでいうと、生身の人間の持っている情報量にはとてもかなわないと思っています。


ウェブではとても表現しきれない情報を生身の人間はかなり持っていますし、深い信頼関係があって初めて明かされる貴重な情報というのがかなりあるとも思います。(もちろん、ウェブやメールは私にとって仕事上の必須アイテムで、多大な恩恵を受けています。活かし方によっては人との深い信頼関係を築くこともできると感じています)。


実際に、様々な企業の方とお話しさせていただく中で、用件や本題とは違う話しに及んだとき、ポロッと貴重な情報を提供いただくことがたびたびあります。長くその業界にいると、「今さらわざわざ人に言うまでも無い」と思うようなことでも、全く畑違いの人からしてみればびっくりするようなことや、興味をそそられるようなことはよくあり、そういうことからお話しが盛り上がることもあります。


人と人はピンポイントだけでつながるのではなく、面と面、あるいは三次元的なものでつながっているということを感じます。まだほんの数日ではありますが、色々な方とお話しさせていただく中で、ヒントがヒントを生んでいるというようなことを実感しています。こういう一見地味で地道な積み重ねが、今の閉塞的な状況を突破する大きな力になるのではないでしょうか。


まだ漠然とではありますが、対馬市福岡事務所というのは、対馬と島外との媒介のような機能を果たす場所、福岡を中心とした商圏に対して観光物産に関する戦略を練る場所と考えています。また、対馬市では、特に一次産業に関する企業誘致に力を入れていますので、どなたかとコラボできればと期待しています。オフィスは博多駅近くですので、お近くにお越しの際はどうぞお寄りくださいませ。最後は本当に宣伝に寄ってしまいましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



対馬市福岡事務所
〒812-0011福岡市博多区博多駅前2丁目12-26福岡Dビル11F
TEL/092-481-6411

対馬市福岡事務所レポート http://tsjfuk.exblog.jp/



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早田優子プロフィール
1974年に対馬に生まれ、高校までを過ごす。厳原町立厳原小学校・中学校卒業、長崎県立対馬高等学校卒業。その後、大学と仕事で数年間を兵庫県で過ごし、現在は福岡市在住。印刷会社、出版社、編集プロダクションで編集者・ライターとして経験を積み、2006年よりフリーランス。2008年4月に「対馬の樹」を開設し、7月より「対馬市応援団」のメンバーに(2009年4月より休止)。2009年4月10日に、対馬市福岡事務所が開設され、その一員として業務を行っている。(ブログ「対馬市福岡事務所レポート」担当)。対馬へは年に数回帰省し、実家でのんびり過ごしたり、友人と会ったり、釣り・潮干狩り・磯遊び・シーカヤックなど主に海のレジャーを楽しむ。