整体師が行えるのは、「脊柱を中心とした四肢の関節の歪みを整えること」であり、それにより様々な症状が改善したとしても、それを効能として謳うことは出来ない。
「~が治りました!」
「○○○がすっかり無くなった!」
などという強烈なキャッチコピーをうたい文句にしている業者もいるが、本来は「体を整える」ことが目的であり、各症状の緩和は結果に過ぎない。
また、腫瘍性・出血性・感染性の疾患やリュウマチ、心疾患に対して整体術を施すことは、厚生労働省からの通達により禁止されている。
また椎間板ヘルニアなど明確に医師から診断を下されている症状に対して整体術を施すのは、かえって症状を悪化させる恐れもあるため注意が必要である。
施術者はもちろんのこと、サービス受益者もこれらの正しい知識を持ち、自らの健康増進に整体を役立てるべきである。
本来、整体術は骨格および骨格筋の歪みを調整するもの であるため、人体表面に大きな持続的な圧力をかける手技は無い。
これらは、あんま・マッサージ・指圧師の技術であり、整体の技術系譜とは全くことなる。
しかし、前述したように、整体には厳密な定義がないため、似たような技術を用いることが多いのが現状である。
ただし、それらの技術を用いる用いないは別として、骨格の矯正を行わずにただ体を揉みほぐすだけのサービスを提供している業者が多いのは問題とされている。
整体には各種協会や団体が数多く存在するが、その中でも有名なのが「野口晴哉(のぐち はるちか)」により設立された「社団法人 整体協会」であろう。
野口以前は整体は「正体」や「整胎」などと呼ばれていたが、彼が「整体協会」を設立した後は、さまざまな施術者が「整体」を表記するようになったため、整体の始祖とも呼ばれている。
但し、彼の「整体」は愉気法や活元体操と呼ばれるテクニックを使い、「自らの体を整える」ものであり、現在の主流である「療術を施す」ものとは一線を画するものである。