下手な医者を主治医にすると、病気でもないのに病気と告知され、必要のない薬をたっぷり処方され、眠くなるわ、認知機能は低下するわ、挙げ句の果てには震えやヨダレといった明らか副作用とわかる症状に次々見舞われ、後戻りできなくなった患者を、私はこれまで100人以上見てきた。私程度の医師経験年数で100人だから、ベテランの先生なら1000人、5000人と見ているだろう。それくらい、全国津々浦々で怪しげな医療が行われている。


東京都に限って言えば、その日のうちに新患を診てくれる病院、クリニックはほとんどない。あるにはあっても、待合室にたくさんの患者がひしめきあい、診療時間は新患でも20分といった厳しい状況である。

そういう時の対処法を教える。すぐに診てもらえない時は、精神科ではなく内科を受信するのである。内科を受信し、身体を先に診てもらうのだ。精神科の診断手順の最初のステップは、身体疾患の除外である。つまり患者が訴える症状が「身体の病気」から発生しているのではないかと考え、まずは身体疾患の有無を検索をする。これが精神科診療の正しい手順である。しかし精神科外来では、患者の体に直接触れての診察ができないため、結局一度は内科の医者に身体を診てもらうことになる。

どっちみち1度は内科を受診することになることから考えても、最初に内科を受診しておくのは合理的なのだ。