1話 はじまりの朝
冷たい春の風が吹く朝。
僕、丘田龍哉は自転車で中学校へと通学していた。
昨日、入学式を終えた。
僕の通う角色中学校の第一印象は「オンボロ」
正門をくぐると直ぐ目に付く南校舎は、僕の母の代からずっとあったらしい。かべが黄ばんでいる。
僕のクラスー1年1組ーはオンボロ校舎の向こう、南校舎にあった。
こちらは新しいらしくトイレもキレイだが、床が木製で歩く度にキシキシと音が鳴る。
新しい朝
新しい季節
新しい出会い
新しい自転車
新しい通学路。
何もかもが新しい朝。
この日から、僕の青春が始まった。
新しい