-植物の智恵-
(柿の隔年結実の不思議)
~前項、続き~
“生り年”の一年はさすがに木が弱るので、翌年は“不生り年”とし、樹勢の回復に当てられます。
毎年たくさんの実をつけて、柿の木そのものを短命で終わらせるよりも、隔年結実を実施した方が、1本の柿の木が生涯で産出する実の数には、天と地の開きがあると言います。
より多くの実をつけ、より繁栄させる為、柿の木がとったこの戦略に感じ入ること頻りであります。
田舎では柿の実を取り入れる時、必ず、
『上の方の実は少し残しておけよ!! 』
と言います。
木の実を食べる野鳥の為に、少し残しておけよ ということなのです。
散々、農作物をいたずらされるにも拘わらず、
それはそれ! 共に自然の中で生きて行こうという気持ちなんですね。
作物を荒らすからと言って、それをすべて排除したら然るべき作物も巡り巡って不作になることを知っているからです。
あるがままに自然を見詰め、身を委ねることが
とても大切なのかもしれませんね。
素晴らしき哉-植物の智恵-